第449回 同方向に走る自転車と自動車
2023/11/17
コロナ禍の自転車ブームを経て
自転車を日常的に利用するようになった方もいるでしょう。
車道では軽車両として扱われる二輪車を
自動車が追い越すシーンも当たり前となった今
車道を同じ方向に走る二輪車と自動車において
お互いの接触事故を避けるためにどんな配慮ができるのか?
今回は安全な追い越しのために必要な心構えや運転について
日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員も務める
菰田潔さんに話を伺い、お伝えしました。
同じ方向に走っていて車が自転車を抜く時にもリスクあります。
自転車がまっすぐ走っていればスムーズに抜くことができますが
車道側に出てくると危険。
ドライバーは自転車が右に出てくることを想定して
間隔を空けて、抜くようにする必要があります。
「自転車の前方に何があるのかをチェックする」
「前方のさらに遅い自転車を抜くために右に寄る」
「路面の凹凸をよけるために右に寄るかもしれない」と想像力を働かせます
その上で自転車がふらついてもぶつからない程度に横のスペースを取って抜きましょう。
自転車の前方を見て、こちら側に来る可能性を見極めることも大事なポイント。
自転車は「後ろから車が来たな」と気配を感じ、こちらを見て、
そのことによって車道の中方向にフラっと出てしまうこともあります。
自転車はゆっくり走るほどふらつきやすいという特性があります。
クルマ側はドライバーが急ブレーキを踏んだつもりでもすぐには止まりません。
さらに思い切り急ブレーキを踏めたとしても
時速30キロで走っていた時でさえ止まるまでに3mから4m進みます。
ドライバーは、そのことを意識しましょう。
自転車に乗っている時は、車道を右に膨らむなら
右手を横に出して車道側に動く意思表示することが自分の身を守るために大切。
そして、逆走や信号無視は絶対にしない。
自転車も軽車両であることを意識してルールを守って下さい。
命を落とさないためにはヘルメットもかぶりましょう。
全国の自転車を利用する皆さんは、利用時のルール、
いま一度、自身の“姿勢”を見つめてみて下さい。
それが、交通安全に繋がるはずです。