第447回 オフセット制御

2023/11/03
円滑に安全に交通社会を機能させるための装置「信号機」は
渋滞が起きないよう「オフセット制御」されていることがあります。

時に先を急ぐあまりスピードを出して
信号で止まらないようにというクルマを見かけますが
「オフセット制御」されている幹線道路の信号機を相手に
そうした運転をしても無意味で交通事故の危険が高まるだけ。

今回はJAF東京支部 認定セーフティアドバイザー 杉本実さんにお話を伺い
オフセット制御についてお伝えしました。





まず、信号機のオフセット制御は
幹線道路を走る車が信号により停止することなく
各交差点をスムーズに通過できるよう
隣接する交差点の青信号開始時間にずれを持たせること。

制限速度を守って走れば次の信号も青でスムーズに走行できます。
しかし、速度超過で走ると赤信号に引っかかりやすくなってしまいます。
こうした取り組みは、各都道府県警察によって全国の主要幹線道路で
約30年前から行われていて、交通事故死者数減少に貢献しています。





法定速度で走っていれば止まらずに進行できるのに、
急ごうとスピードを出すと赤信号に引っかかってしまう。
法定速度で走る他のクルマにも追いつかれます。
特にクルマが少ない夜間でやりがちですが、
こんなに危険で無意味なことはありません。

オフセット制御されている信号機にその旨が表示されてはいませんが
このことを覚えておいて制限速度を守って走行していれば
認知判断操作に関わる時間に余裕が生まれて安全で確実な運転できます。

さらに車は停止状態から発進することに一番燃料を使いますので、
信号で停止することなく走行すつことは環境と財布にも優しいと言えます。





実は、オフセット制御については、大阪府警が10月1日から、
死亡・重傷事故が多い大阪府内6路線の一部区間で
土・日・休日の午前9時ごろから午後5時ごろまで導入しています。

速度の出し過ぎによる重大事故を減らすことが目的で、
夜間の幹線道路では同様の制御が30年ほど前から行われていますが、
昼間は初めてだということです。

信号をはじめ、交通社会を動かすさまざまな装置は、
交通ルールを前提に設定されています。
安全のためはもちろんですが、快適性のためにも、
交通ルールに則った運転がいいということを覚えておいて下さい。