第444回 全国で増加中 ラウンドアバウトの利用法

2023/10/13
交差点の一形態「ラウンドアバウト」。
日本語名称を「環状交差点」が、どんな交差点かご存知ですか? 

2014年に道路交通法で明確に定められて10年。
この番組では3回目のテーマですが
全国で導入が進む中、初めて遭遇した時に戸惑わないよう
毎回お話を伺っている日本のラウンドアバウト研究と普及の第一人者
名古屋大学 大学院 環境学 研究科 中村 英樹 教授にお話を伺い
その利用の仕方と注意点をお伝えしました。





ラウンドアバウトの交差点には信号がありません。
上写真のように中央にクルマが入れない円形区域があり
周囲をドーナッツ状の道路が1周ぐるりと通っています。
その環状道路に複数の道路が接続していて
接続箇所の手前に横断歩道が設置されているところもあります。





ラウンドアバウトは環状道路に接続する道路から
左折して交差点内に入ることになります。
その際、優先順位は環状道路内を走行中のクルマにあります。

クルマの流れを見計らって交差点内に入った後は
自分が進路を変えたい方面の道路を経由して環状道路を出ます。
その時にも横断歩道があるケースが多いので充分に気をつけましょう。





日本では、導入から10年。
2015年5月には全国に「45」あったあラウンドアバウトの数は
今年の3月末の時点では「155」に増えています。
導入してみての評価は、中村教授曰く上々。

出会い頭の事故が劇的に減る。
信号の場合に比べるとドライバーの待ち時間が少ない。
信号機を設置しなくていいのでコスト削減になる。
そんなことが理由です。

また、一般の交差点と違って猛スピードで侵入することは出来ず
確実にいちど速度を落とすことになります。
さらに環状道路では全車同じ向きに走っているので
接触事故が起きても大事故になりにくいというメリットもあります。





さらに自然災害が多い日本。
停電によって信号機が表示されなくなると交通は混乱し、大事故も起こりかねません。
そんな時にもラウンドアバウトは有用だと中村教授はおっしゃっていました。

特に都市部に住む方は、未体験の方も多いかもしれないラウンドアバウト。
今日の情報を頭の片隅にメモしておいて下さい。