第435回 パーキングブレーキの役割と注意点

2023/08/04
夏休みシーズン。
ふだん運転しない方もハンドルを握ることがあるでしょう。
気をつけるべきことは多いですが、
今回は自動車ジャーナリストの吉川賢一さんにお話を伺い
「パーキングブレーキ」についてお伝えしました。

使い方を間違えたり、使い忘れたりすると、危険が生じることがあります。
情報を確認して下さい。





ひとことで「パーキングブレーキ」といってもタイプは数種類あります。
この時期にレンタカーを利用することもあるかもしれません。
「どこだ?」と悩まないように主なタイプを伝えておきましょう。


<レバー式サイドブレーキ> 

かつての主流だった「サイドブレーキ」もパーキングブレーキの一種。
運転席の横にレバーがあってレバを引くとブレーキがかかり、
レバーの先にあるボタンを押しながら戻すと解除されます。





<足踏式パーキングブレーキ>

ブレーキペダル左にパーキングブレーキがあって踏み込むとブレーキが作動。
解除するには基本的にペダルをもう一度、踏みます。
もしくはセンターコンソールのレバーを引くタイプもあります。





<電動パーキングブレーキ> 

最近の主流。ボタンを押すだけで、ブレーキが作動します。
解除はもう1度ボタンを押すタイプや
アクセルを踏むと自動解除するタイプがあります。




クルマの走行中に使うブレーキ「フットブレーキ」は、
動いているクルマを減速・停止させるため4輪すべてにかかります。
一方で「パーキングブレーキ」は後輪にかかるブレーキです。

そして、オートマ車には走行モードの中に「Pレンジ」と呼ばれる
「P」のマークがついたものもありますが
これはトランスミッション内部の歯車に爪がかかり、
シャフトがロックされ、駆動輪が動かなくなる装置。

アクセルを踏んだ時に「前輪」が回る
「フロントエンジン・フロントドライブ」
いわゆる「FF車」は後輪がフリーとなり
アクセルを踏んだ時に「後輪」が回る
「フロントエンジン・リアドライブ」
いわゆる「FR車」は前輪がフリーとなっています。
覚えておいて下さい。





吉川さんによるとパーキングブレーキの一番の注意点は
かけたつもりでいるのに実はかけていなかったということ。

例えばふだんはPレンジにすれば
パーキングブレーキもかかるクルマに乗っていると
そのタイプではないクルマに乗った時に
パーキングブレーキをかけずに降りてしまうことがあります。

そうすると停車した場所が坂道だったりすると
自然発射という自然と動き出してしまう現象が起こり
事故に繋がってしまうこともあります。





新型モデルで標準となりつつあるPレンジに入れると
自動的にパーキングブレーキがかかる電動パーキングブレーキ」ではないクルマは
「パーキングブレーキ」「Pレンジ」、ともに忘れないようにしましょう。

その順番はパーキングブレーキをかけてからPレンジにする。
パーキングブレーキをかける前にブレーキペダルから足を離すと
クルマが動いてしまうことがあるからです。
発進する時は、順番は逆になります。
Pレンジからドライブモードに入れてパーキングブレーキを解除します。





そして、吉川んも経験したことがあるそうですが、
パーキングブレーキは解除のし忘れにも注意!

停車した時のサイドブレーキの引き方が甘く、解除をし忘れて走り出したら、
ブレーキを引きずりながら走れてしまったそうです。
しかも重たい車、だったので初めはそのことに気が付かず
少しして車の中に嫌な匂いがし始めたことで気づきたとか。
パネルと見るとパーキングブレーキのランプが点灯していて
あやうくブレーキが焼き付きかけたということです。
もっと気づかなければ、発熱してリアブレーキが効かなくなる
といったことにも繋がりかねないので注意しましょう。

パーキングブレーキの知識、覚えていただけたでしょうか。
正しく利用して危険を生まないようにしましょう。