いよいよ夏休み。
保護者の皆さんは子どもと行動を共にする時間が増えるでしょう。
そんな時に絶対にあってはならないのが、子どもの車内への置き去り。
残念ながら毎年のように車内置き去りによる、
子どもの熱中症事故が報道されます。
また、ドライブ中でも車内にずっといることで、
子どもが熱中症事故につながる恐れもあります。
今週はNPO法人 Safe Kids Japan理事長
小児科医の山中龍宏さんにお話を伺い
真夏の車内の熱中症事故を防ぐために心がけたいことをお伝えしました。
昨年9月には静岡県牧之原市の保育園で
園バスに3歳の女の子が置き去りにされて亡くなるという痛ましい事故がありました。
実は一般家庭の自動車でもこうしたことは起こっていると山中先生。
その発生にはパターンがあるそうです。
それは普段あまり子供の送り迎えをしないお父さんが子どもを複数乗せ
1つの園に送ったあとで、もう1ヶ所に預けることを忘れ、
帰宅して家の駐車場に止めて自宅で仕事をする。
そして、午後に子供を迎えに行こうと車を運転して保育園に迎えに行ったところ、
「今日は来てません」ってことで自動車をみたら子供が熱中症で死亡していたというもの。
山中先生曰く、死亡例はニュースになるので広く知られますが、それは氷山の一角。
その10倍、20倍は熱中症にかかって入院してる子もいるだろうと話していました。
JAFが真夏の炎天下で車内温度がどのように変化するのか実験しています。
8月の晴天、外気温35℃の状況下、昼12時から16時の車内温度を測定。
窓を閉め切ったクルマはエンジンを停めて30分後には約45℃を記録。
その後も上昇を続けて3時間後には55℃を超えました。
熱中症になりやすいのは子ども・高齢者・ペット。
子どもが熱中症になりやすい一番の理由は体内の水分量が多いから。
人間は暑い時に汗を出して体温を下げますが、
あまりに暑くて湿度が高いと体温が下がりません。
すると体の中に熱がこもり、体内の温度が40度ぐらいになって
心臓とか肝臓とか脳などが機能障害を起こし、場合によっては死亡に至ります。
高齢者は体内の水分量はやや少ないので
脱水が進むと、より早く熱中症になりやすくなります。
一般的に夏の停車したエアコンの効いていない車内では
15分ぐらいで熱中症になり、死亡する危険度は高まるそうです。
この猛暑の中、クルマの中に子どもを一人だけにする、
またお年寄りやペットだけにするのは「ちょっとだけ」でもやめましょう。
そして、前述した勘違いで取り残さないよう工夫しましょう。
人は誰でも間違えるっていうのを原則にする。
欧米では自分が常に持っているスマホや財布、ハンドバックなどを
後部座席のチャイルドシートの隣に置いておけば
車を停めたあとに取るので子供を忘れないと勧めているところもあるそうです。
また、他の一般の方も子供が1人でいる状態を見たら
それを見過ごさず、何らかの対処をとることを心がけてください。
そして、走行していたとしても、クルマの中に居続けることで、
熱中症の危険があることを覚えておいて下さい。
ふだんより水分を摂る機会を増やす。途中で休んで風に当たる。
そうした熱中症の対策を心がけてください。
その上で子どもが元気がなくなった、ぐったりしてきたというのは
熱中症になった可能性があるということを覚えておいてください。
この暑さの中、大切な子ども、そしてご家族のお年寄り、ペット、
間違っても、熱中症で命を落とすことがないように、
充分に気をつけてクルマを利用しましょう。