第426回 車の雨対策

2023/06/01
梅雨のシーズンを迎えた日本列島。
これからしばらく雨の中の運転が増えますが、対策はいかでしょう。
快適な車環境が、日々の安全運転につながります。

今週はJAF東京支部 交通安全インストラクター 
内藤 康介さんにお話をうかがって「車の雨対策」をお伝えしました。





雨が降っている時の運転が危険な理由の1つは、
水滴がフロントガラスやミラーについて車外の状況が見えにくくなるから。
視界の悪化を防ぐケアをしておきましょう。

主なポイントはワイパーとガラスとミラーです。
ワイパーは拭きムラや使用時に筋ができはじめたら
ゴム部分が劣化している可能性があるので交換しましょう。

ゴムを交換しても拭きムラや筋ができたり、音が出ている場合は
ワイパーブレードというゴムを固定している部分の劣化も考えられるので
これも交換する必要があるかもしれません。

ワイパーゴムやワイパーブレードは自分でも交換可能ですし
自動車販売店やカー用品店でも比較的短時間で交換してもらえます。
不安があればプロに点検・交換してもらうようにしてください。

そして、ガラスもミラーも綺麗にします。
見た目が綺麗でも油分がついていると
ワイパーを交換しても拭きムラが出る恐れがあります。
その場合は油膜を取ったり、撥水スプレーを使いましょう。





そして、ドライバーの視界不良の1つの原因がフロントガラスの曇り。
曇った時は適度にエアコンをつけましょう。
そのためにエアコンもチェックしておいて下さい。
エアコンのメンテナンスに関しては、専門的な知識がかなり必要
自動車販売店などのプロに任せることをお薦めします。





そして、視界不良とは別に、
雨が降っている時の運転が危険な理由がスリップ。
タイヤの溝をチェックして必要であれば履き替えましょう。

タイヤの溝にはタイヤと路面の間の水を外に排出する重要な役割があります。
溝が摩耗しているとスリップしやすく、ハイドロプレーニング現象が発生する危険も生まれます。
ハイドロプレーニング現象は、路面とタイヤの間に水の膜ができて、
ハンドル操作やブレーキが全く効かなくなる現象のこと。
溝があっても発生することがありますので注意が必要です。





新品タイヤの溝は8mmぐらい。
JAFの実験では、それが3.1mmほどになると、
ブレーキをかけてから停まるまでの距離が1.5倍にも伸びたそうです。

タイヤは溝が当初の半分の4mmになったら替え時。
4mmあるか? チェックしてみて下さい。
ちなみに1.6mm以下で走行していると道路交通法違反。
覚えておきましょう。


今回お話を伺った内藤さんは、
「ご自分でのメンテナンスが不安な方は販売店、整備工場、カー用品店に相談して下さい」
「また、自分で大丈夫という方も、方法を間違えると事故に繋がるので、
説明書を確認して、少しでも不安があればプロに任せることが安全です」と
おっしゃっていました。





内藤さんから雨の日の運転のアドバイスは
まずは、晴れの日よりも速度を落として車間距離を空けること。

首都高速道路のデータによると、
首都高速の雨の日の交通事故は晴れの日の7倍。

また、ゲリラ豪雨や猛烈な雨は視界が大幅に悪化させます
昼間でも前がほとんど見えないという場合もありますし
アンダーパスなどの道路が冠水する恐れもあります。

だから、猛烈な雨が降っている時は無理を運転を続けず
安全な駐車場などに車を止めて雨が弱まるまで待ちましょう。
雨の日は晴れの日に比べて危ないという意識を忘れずに運転して下さい。

今からでも遅くありません。
雨の季節に向けたクルマの準備をしっかりして、
運転する時には、いつも以上に、安全に注意を払いましょう。