明日からはゴールデンウィーク。
クルマで出かける方も多いと思いますが、この時期に避けられないのが高速道路の渋滞。
今週は高速道路で渋滞が起きるメカニズムと渋滞中の運転のポイントをお伝えしました。
今回、お話を伺ったのは東京大学 大学院 工学系研究科 渋滞学が専門の西成 活裕教授。
西成教授によると高速道路で渋滞が起こる一番の原因は坂道。
道路が混雑してくるとドライバーは車間を詰めて運転してしまいます。
車間距離が縮まれば、前の車が少しブレーキ踏むと、後ろの車もすぐブレーキを踏む。
その連鎖が渋滞に繋がりますが、坂道の場合はブレーキを踏むタイミングが遅れ、
その遅れは後ろにいくほど増幅して、どこかの段階では停まらなざるを得なくなり、
渋滞が起きてるのです。
西成教授によると、ポイントは「車間距離40メートル」。
40メートルあれば、前の車のブレーキランプが点いても
すぐにブレーキを踏まずに済みます。
その余裕ある距離が渋滞を起こりにくくするのです。
ドライバーの心理と裏腹なのは皮肉ですが、
高速道路の渋滞は事故へとリンクしていきます。
それも渋滞を回避したい理由でもあります。
渋滞中の事故で一番多いのは追突。
渋滞に巻き込まれると自分ではどうしようもないために投げやり気持ちになる。
そうすると運転の反応が鈍くなり、前の車が急に減速した時に
後ろから突っ込んでしまう衝突事故が起きやすいのです。
また、イライラしてる時に頻繁に車線変更をすることも事故に繋がります。
「隣の車線は速く見える」という現象があり、
急な車線変更が他の車にブレーキを踏ませて渋滞を悪化させ、
衝突の原因にもなります。
データを見限り、渋滞時の車線変更はいいことがないそうで
車線をそのまま進行した方が早く着くという事例もあります。
渋滞時には車線変更をしないほうが賢明と言えるでしょう。
その他に出来ることは渋滞の最後尾につきそうな時は、
なるべくゆっくりと近づいていく。
そして、渋滞予測をチェックして、出発時間を調整する。
そんなことが渋滞を生じさせない一助になります。
また、渋滞に巻き込まると諦め気分になあって
前の車が動いてもなかなか動かない車がありますが、
それを多くの車がやると渋滞は長くなる一方。
高速道路の渋滞は実は平均時速20キロほどは出ているので
流れに合わせてゆっくり走るよう心がけましょう。
そして、渋滞後尾につきそうなときはスローインですが、
渋滞から抜け出る時はファストアウト。
なるべくサッと走り出すことが、渋滞を緩和させるコツの1つ。
西成教授のお話を聴いてみると、高速道路の渋滞時、
他のドライバーは協働して渋滞を生まない「同士」です。
一緒に渋滞と事故を避けましょう!