第420回 電動アシスト自転車の安全な利用

2023/04/21
この春からの新生活で電動アシスト自転車を乗り始めた方
これまでも乗ってきた方、安全な利用ができていますか

今週の「なるほど!交通安全」は
自転車の安全利用 促進委員会の遠藤まさ子さんにお話を伺い
安全に乗るためのポイントをお伝えしました





交通事故 総合分析センターの統計によると
2020年に全国で起きた自転車利用者の事故は6万7,673件
2012年からほぼ半減しています

その一方で、電動アシスト自転車が関係した事故は、
2012年の1,250件から2020年は2,642件と倍増しています
この事故の増加には、電動自転車の広い普及が
大きな理由の1つとして挙げられると思いますが
なるべく事故の数は減らしたいところ





では、どんなことが電動自転車の事故に繋がっているのかというと
1つはバッテリーをきちんとはめていなかったために
自転車に乗り出そうとしたところでバッテリーが落ちて
足を負傷してしまうという事例。

もう1つは操作不備。
電動アシスト自転車に乗って走ろうとした時に
思ったよりアシストが効いてしまってバランスを崩してしまう。
逆に上り坂などでアシストが効きにくい状態にも関わらず
平らな道と同じような状態で走り出そうとしてしまって
想定よりもアシストが弱い力で行ってしまったがために
ペダルを踏む力が足りずバランスを崩して転倒してしまう。
そういった自分のイメージとは違う作動によって
バランスを崩す事故も報告されています。

最後の1つは子どもを乗せている時の事故。
子どもに気を取られてしまって前方不注意になり
歩行者にぶつかってしまう事故も報告されています。





そして、間違えた乗り方としては、電動アシスト自転車に対して
今までの普通の自転車と同じように「けんけん乗り」をしてしまい
バランスを崩して転ぶ方がいまだに見受けられるそうです。
電動アシスト自転車はペダルに足を乗せた瞬間、
ペダルが重みを感じた瞬間にアシストがかかってしまうので、
サドルにきちんと跨ってから漕ぎ出すということに注意してください。

あとは電動アシスト自転車は慣れるまでに時間がかかるかもしれないので
人の多い道や坂道などはさけて練習したほうがいいかもしれません。





そして、電動アシスト自転車が能力を発揮できるのが「坂」。
まず、上り坂。アシストしてくれるからこそ楽に上れる反面
実は電動アシスト自転車はきちんと基準に適合したものは
人がペダルを踏む力やギア比などを複雑に計算しながらアシスト力を調整しているので
平らな道を走っている時のギア比で重いギアのまま上り坂を発進しようとすると
意外とアシスト力が弱いことがあります。

そうすると「ペダルが踏み出そうとしても動かない!」というように
自分で転倒してしまう単独事故を起こす可能性もある。
上り坂を上る時にはアシストを過信せずに
まずはギア比を軽くする事を心掛けましょう。

そして下り坂はいちばん気をつけたいのがブレーキ。
ブレーキをかける・かけないというよりも
きちんと制動力を持っているかというメンテナンスの部分に関わってきます。
特に電動アシスト自転車の場合、モーターやバッテリーなどで
普通の自転車よりも車重自体が倍以上になるものもあり
それだけ下り坂では勝手にスピードが上がりやすくなります。
電動アシスト自転車は買ったら年に1回は定期点検受けて下さい。





そして、電動自転車は小さな子どもを乗せて移動する
お母さんたちの強い味方。ただ、自転車は“車両”。
重さもありますし、電動自転車となればかなりのスピードも出ます。
子どもの安全も気をつけつつ、歩行者に注意する意識が必要です。

子どもを乗せた状態での事故で一番救急搬送の数として多いのが
子どもを乗せたまま駐輪をしていてバランスを崩し、
自転車ごと倒れて怪我をしてしまうケース。
走行中の注意はもちろん子どもを乗せたまま
自転車のそばを離れることがないようにしましょう。

また、覚えておいていただきたのは、子どもを乗せている時、
電動アシスト自転車の車重・乗員の重さの合計が、100キロ以上になることが多い。

100キロ以上のものが時速20キロ以上のスピードで歩行者にぶつかってしまうと
原動機付自転車やバイクが歩行者を引いてしまうのと
同じくらいの衝撃を与えることも考えられます。

便利で電動自転車。
でも、その利用にはくれぐれも気をつけて下さい。