第417回 スクールゾーンを確認しよう

2023/03/31
明日からは新年度。
もうすぐ小学校に入学する新入生は全国でおよそ100万人います。
子どもたちの未来を守るため、ドライバーの皆さんはこのタイミングで
あらためてクルマで走行している地域のスクールゾーンをチェックしましょう。



日本の交通事故死者数がピークに達したのは1970年(昭和45年)。
警察庁の発表によると、去年2022年に交通事故で亡くなった方は、
統計スタート以来最少の2,610人でしたが1970年当時は1万6765人に上っていました。

当然、被害に遭ってしまう子どもも多い。
子どもを守ろうという機運が高まったのでしょう。
1972(昭和47)年の「春の全国交通安全運動」から
スクールゾーンの運用が開始されたとされています。





今回、お話を伺った自動車コラムニストの山本 晋也さんによると
スクールゾーン設置は、学校や教育委員会・自治体などが行う子どもの安全を確保するための施策。
基本的に法的な権限はなく、全国統一の規則もありません。

つまり、スクールゾーンの規制内容は、地域によってさまざま。
ただ、自治体によっては条例でスクールゾーンについて何某かを定めているところもあり
当該地域で運転するドライバーは、そのルールに従う必要があります。

スクールゾーンの対象は、基本的に小学校から半径500mぐらいの通学路。
しかし、幼稚園・保育園の通園道路も対象としている地域、自治体もあります。
その点、注意して下さい。

スクールゾーンのエリアでは標識や路面標示があり、
ドライバーに対して注意喚起をしています。

路面表示は上の2枚の写真にあるように
道路上に「スクールゾーン」と記されたもの。
歩道部分の安全性を強調する緑が塗装されていることも多いです。





標識は上の写真のように黄色いひし型プレートに2人の子どものシルエットが描かれたもの。
下の写真のように「通学路」と書かれた補助標識もセットのケースもあります。





誕生から半世紀が経ち、スクールゾーンを知らないドライバーはいないでしょう。
とはいっても、やはり自宅近く、職場の近く、よく利用する生活道路、
いちど歩きながらどこにスクールゾーンがあるのか確認しつつ、
そこではどんな規制があるか認識するということをやっておきたいものです。

なぜなら小学校低学年の子供は唐突な行動をとります。
交通の世界では7歳児は交通事故に遭う確率が高いというエビデンスがあるほど。
そのことを踏まえて通学路やその近辺ではハンドルを握りましょう。

また、特に小学校低学年の子どもがいるお父さん、お母さんは
お子さんに機会あるごとにクルマや二輪、自転車への注意を促して下さい。

子どもたちの、この春からスタートする新生活が、
楽しく、充実したものになるように
ドライバー、保護者ともども気をつけましょう。