第409回 交差点での車の通行優先順位と優先道路

2023/02/03
交通事故の半数以上が、交差点で発生しています。
交差点はそれぞれ目的地に向かって走るクルマが行き交う場所。
そして、同時に歩行者・自転車に乗る人もいます。
ドライバー自らが危険を呼び込まないよう
交差点でのクルマの優先ルールをきちんと抑えておきましょう。





2017年の交通事故に関する警察庁の発表をもとに
公益財団法人 交通事故総合分析センターがまとめたデータによると
人身事故の54%が交差点で起きています。

<内訳>

信号機がある交差点 16%

信号機がない交差点 24.3%

交差点付近     13.8%



そこにはドライバーの「自分が優先」という思い違いや
無理な運転がありそうですね。

交差点でのクルマの優先順位。
これはクルマを運転する方は分かっていると思いますが、直進・左折・右折の順。
そして、信号がある交差点で危険を生み出しやすいのは、
想像つきやすいと思いますが、右折車と直進車の関係でしょう。





モータリングライターの藤田竜太さんによると
右折事故の 71.8%が信号機のある交差点で発生しています。
一番多い原因は対向直進車の発見の遅れ。

人間の中心視野は約40度。
対向直進車線と右折先まで視野に入れようとすると
視野としては 90 度から120 度ぐらい見渡す必要があります。
だから、右折先の道路状況や歩行者を注視していると
対向直進車の発見が遅れることがあります。

もう1つ、右折車のドライバーが「直進車より先に通過できる」と
判断してしまったというケースも目立っているといいます。

また、最近では矢印の右折信号が出てから右折している車に対して
赤信号が変わった側の直進車が無理に交差点に進入し
右折車とぶつかるケースも増えているという報告もあるそうです。

右折時は気をつけなければいけない事が多いですが、
急がず、慌てず、無茶をせず、安全に曲がりましょう。
また、直進車の立場の時は、右折しようとしているクルマに注意しましょう。





クルマの優先順位で「間違い」や「思い違い」が生じやすのが信号のない交差点。
どのように優先車は決まるのか?

まず、優先道路がわかる看板や標識が設置されている道路ではこれに従います。
標識がない道路ではセンターラインがある方が優先道路、
センターラインがなければ道路の幅が広い方が優先道路。
標識やセンターラインがなく、道路が広いか判りにくい場合は
車両には左方優先のルールがあり、自分の左から出てきたクルマが優先となります。
覚えておいて下さい。





信号がない交差点での走行には気をつけて下さい。
藤田竜太さんに安全運転のポイントをお聞きしました。

前走車がいる場合は、その車が交差点で減速したり、
一時停止する可能性があると考えてついていくということが大切。

左右の見通しが悪い交差点ではカーブミラーをよく見るというのが基本。
カーブミラーがなければ、しっかり徐行、一時停止して左右の安全を確認する。

右または左から車が近づいてきた時は自分の方が優先道路だとしても
近づいてくる車が減速しているかどうかをしっかりチェック。
減速する気配がなければ、自分が止まってやり過ごした方が安全。

また、消極的ですが、ドライブレコーダーを設置することで
より慎重に運転しようという意識づけになると解説して下さいました。

クルマの優先順位のルールをしっかりと認識して
日々の運転をするようにしましょう。