「秋分の日」が過ぎ、明日から10月。
日の入りが早くなって日没時から夜間にかけての交通事故が増えます。
今週は一般社団法人 日本反射材普及協会 会長 菅沼 篤さんにお話を伺い
命と身の安全を守る“反射材”についてお伝えしました。
身につける習慣がない多くの方も夕暮れ時や夜間の反射材着用が
事故を遠ざけることは頭で理解していることと思います。
それではドライバーから歩行者の見え方がどのくらい違うか、知っていますか?
反射材の性能認定基準である117mcd 以上の反射機能を有するものであれば
57m 以上の距離でも視認できることが確認されています。
車が時速 60 キロで 乾燥路面を走ってる時に安全に停止できる距離は約44m。
余裕を見て反射材機能を逆算し57mという距離を出しているということです。
そして、反射材をつけていない場合、
ドライバーから歩行者が見える距離は 25,6m。
反射材をつけていれば、より遠くのクルマに気づいてもらえるでしょう。
実際、2010 年に全日本交通安全協会による反射材活用実態調査では
反射材の着用率約 10%に対して歩行中に事故で亡くなった方の着用率は 1%。
反射材に効果がないならば事故に遭った歩行者の反射材着用率も10%に近いはず。
大幅に低い 1%ということから考えれば、反射材を身に着けていると
ドライバーから発見されやすくなり、事故の確率が減ると推測できます。
着用率に関しては上記、全日本交通安全協会の調査結果は2010年のもの。
少し古いので、最近のデータを探してみました。
全国的なものはありませんでしたが、
8月に福島県警察本部が県内65歳以上の着用状況の調査結果を発表しています。
それによると33%。
おそらく高齢者は若者よりも安全を意識して着用している人が多く
若い世代はさらに着用率が低いことが想像されます。
もう1つ、今年発表された
福岡女子大学 大学院 小松美和子さんと庄山茂子教授による論文
『交通事故防止のための反射材活用に関する実態調査
〜熊本県内の小中高生を対象に〜」によると・・・
<常に身につけている>
小学生 22% 中学生 9% 高校生 8%
<時々身につける>
小学生 38% 中学生 30% 高校生 28%
<身につけない>
小学生 41% 中学生 61% 高校生 64%
学校・地域警察の指導もあるだろうに「身につけない」割合が高いように感じます。
反射材を身につけない理由が複数回答であって
中高生に最も多いのは<面倒だから>
小学生に最も多いのが<持っていくのを忘れる>
また、いずれも<つけたいデザインではない>の割合が多くなっています。
年齢・性別に関わらず、夜間の外出ではできるだけ反射材を着用しましょう。
中高生の気持ちになると分からないでもありませんが、
夜の事故遭遇を防いでくれるかもしれない反射材。
最近はいろんなタイプの商品が出ているので着用を考えてほしいところ。
身近な方、ご両親やお子さんにも、このことを伝えてください。