第387回 運転中に地震が起こったら

2022/09/02
昨日9 月 1 日は「防災の日」でした。
今回の「なるほど!交通安全」は、モータリングライター 藤田竜太さんにお話を伺い
『運転中に地震が起こったら』をお伝えしました。
“もしも”の時のため覚えておいて身の安全を守る行動に役立てて下さい。





車に乗っていると、地震が起きても気づきにくい。
このことは、多くの人が経験あるでしょう。
タイヤやサスペンションが揺れを吸収し、
一方で走行中は常に車体が揺れているためです。

運転中に地震の揺れに気がつくと言われているのが震度4から。
本来なら震度4は電線が大きく揺れてじっとしていると驚くレベルです。
震度5弱になると電柱が揺れるのでさらにわかりやすくなり
震度5強だと車でまっすぐ走れなくなるので運転者もみな地震に気づきます。





地震が多い日本。
車の運転をしている時に大きな揺れに襲われる可能性があることを、
いつも頭の片隅に置いておいて下さい。
周囲の何かしらの違和感から地震を早く察知することに繋がるでしょう。

そして、スマートフォン・携帯電話の設定をオンにしておけば、
気象庁と政府が発信する緊急地震速報を受信することができます。
最大震度が5弱以上と予想される地震」が発生した場合、
「震度4以上が予想される地域」で通知されることになっています。





運転中に地震が起こったことに気づいたら
慌てずにハンドルをしっかり握り、ハザードランプを点滅させながら
前後の車に注意して徐々にスピードを落とし、道路の左側に停車します。

この時、急ブ レーキは禁物。
止める場所も建物などの出入り口付近交差点付近や消火栓の側は避ける。
前後の車との距離も大きめに確保しましょう。

車を止めたらエンジンを切り、揺れが収まるまで車外に出ず、ラジオから情報を入手します。
スマホを開いてSNS などで情報収集をするという手もありますが、
車の周囲の状況に目を配りたいので音声から情報を得るほうが望ましいです。





揺れが収まり、周囲の状況やラジオの情報から
車を離れて避難したほうがいいと判断したら、
車はできるだけ道路以外の場所に停めます。

やむを得ず道路上に置いて避難する時は、
避難する人の通行や災害応急対策の妨げになる場所を避けて道路左側に寄せて駐車し、
エンジンを止め、車のキーはつけたままにして、ドアをロックしないで窓を閉めます。
その上で連絡先メモを見えるところにおき、車検証や貴重品を持って徒歩で避難。
高速道路では約1キロごとに非常口があるので、そこから徒歩で地上に脱出できます。





自動車安全運転センターによると
2016年の熊本地震に際して震度6以上に遭遇したドライバーのうち
8割が経過時間は違えども、いちど停車しました。
しかし、「地震に気づいたが停車しなかった」人も14%いました。

また、クルマを停車した人の停車後の行動を見ると、
クルマを離れた人が27%。クルマを離れなかった人が73%。
クルマを離れた人のうち、ドアロックをせず、エンジンキーを付けたまま避難した人はわずか2割。
「ドアロックはしない」と知っていた人の36%はドアロックをして避難し
「エンジンキーをつけたままにする」と知っていた人の45%がエンジンキーを持って避難しています。

これだけ多くの人が知識とは反対の行動をとってしまったことからは、
大きな地震に気が動転したことが伺えます。
クルマを運転する人は“もしも”の時の行動をシミュレーションしておいた方が良さそうです。





多くの地域では大地震のあとは津波に警戒しなければいけません。
警察庁では津波から避難するため、やむを得ない場合を除いては
避難のために車を使用しないように指示してます。

やむを得ず車を使用する時は道路の損壊、信号機の作動停止、
道路上の障害物などに注意しながら運転すること。
避難する車で渋滞が起こり、動けなくなることは充分にあり得ます。
そうした際は、やはり徒歩で少しでも高い場所を目指して避難しましょう。

いつ、何時、起こるかわからない大地震。
クルマを運転している時の対処を、頭の中で整理しておいて下さい。
それがご自身や、同乗者の命を守ることに繋がります。