甲子園では104回目を数える
“夏の高校野球”の熱戦が繰り広げられています。
NPB、日本のプロ野球は終盤戦、優勝争いが白熱する時期。
海外ではMLBエンジェルスの大谷選手が打撃絶好調。
このところ野球の話題が熱いですが、
今回は“野球を通して交通安全を啓発する”という理念を持つ
異色の社会人野球チーム「宮崎梅田学園」の話題をお伝えしました。
選手の多くはなんと教習指導員です。
宮崎県で自動車学校などを経営する宮崎梅田学園。
会社の設立は1973年(昭和48年)のことでした。
現代表取締役社長の梅田條尾さんによると硬式野球部発足は2006年。
実は梅田さん自身が高校まで野球をやっていて
大学に進学して野球を続けたかったそうですが様々な事情から就職。
その後、父親が自動車学校が開校するということで手伝い始めた中で
社内で軟式野球部を作りました。
しばらくして、タレントの萩本欽一さんが率いる
茨城ゴールデンゴールズが全国的に話題となったことをきっかけに
梅田さんも会社の野球部を軟式から硬式へと変えたそうです。
硬式野球部を持つことは夢だったのでしょう。
そんな経緯を持つ宮崎梅田学園 硬式野球部。
母体は自動車学校が母体なので交通安全とは近い関係にありますが
その普及を活動理念の1つにしたのにはきっかけがありました。
主催する中学生野球大会に出場した笹森郁弥さんという方が
大会後すぐに交通事故で亡くなり
お父さんが交通安全の講演活動をしていると後になって知ったのです。
自動車学校として野球を通じて交通安全を伝えていこうと考え
郁弥さんがつけていた背番号5を永久欠番としていつもベンチに置き
彼の夢だった甲子園は無理ですが大人の甲子園である都市対抗野球に
連れていくことを目標にすることにしました。
そして、ここまでのところ2019年と2022年、つまり今年、
見事、毎夏開催されている都市対抗野球に出場を果たしています。
ベンチには郁弥さんのユニフォームが飾られ
試合会場の東京ドーム応援席には交通安全の横断幕が掲げられました。
父親の義幸さんは郁弥さんと同じ背番号5のユニフォームで始球式をつとめました。
こうしたところからエピソードが伝わり、
交通安全の大切さが、また全国に共有されていくことでしょう。
選手のみなさんは交通安全運動期間中にユニフォームを着て
街頭で交通安全の横断幕を掲げて通行人に交通安全グッズを配るなど
ふだんから交通安全活動にも取り組んでいます。
今のところ2度出ている都市対抗野球は1回戦敗退。
日本選手権にも1度出場していますが、こちらも1回戦で敗退。
梅田社長の願いはなんとか勝利をプレゼントすること。
選手の皆さんは教習所の仕事と野球の二足の草鞋。
大変だと思いますが、今後の活躍を期待しましょう。