第382回 第13回 交通安全川柳コンテスト

2022/07/29
毎年、新年度になってすぐに
一般社団法人 東京指定自動車教習所協会が募集を開始する「交通安全」川柳コンテスト。
先日、2022年の選考結果が発表されました。

今年で13回目。
今週は入賞作と作者が川柳に込めた思いを伝えました。





「交通安全」川柳コンテストは、春の全国交通安全運動の一環として
インターネット、葉書、都内の指定自動車教習所窓口で募集。
寄せられた作品を東京指定自動車教習所協会協会員と
特別審査員として、一般社団法人 全日本川柳協会が審査しています。

第13回の応募総数は2万850句。
そのうち団体応募が26団体 3,809句。
小学校、中学、高校の生徒の他、企業からの応募も多数。
「全国交通安全運動の一環としての行事として浸透してきたようです」とは
主宰する東京指定自動車教習所協会の担当者の弁。

受賞作品は 最優秀賞1、優秀賞 2、入選5、団体賞 1組。
以下に敬称略で紹介していきます。





<入選作品>


谷村 翼
値上がりに エコドライブで 立ち向かう

もふもふ
乗るならば 酒も車も あおらないペンネーム

章香堂
その車間 知らず知らずに あおってるペンネーム

恋太郎
あの時の 違反切符が 良い薬ペンネーム

及部 遥香
ガラス越し マスク越しでも ありがとう


それぞれよく考えられた作品ですね。
今の世相が、まさに反映されている1つ目。
ガソリンが値上げして、あまりにも高い今、エコドライブで省エネ運転。
交通安全にも繋がって悪いことはありません。

お酒を「呷る」とあおり運転の「煽る」をかけている2作目。
5・7・5に飲酒運転と煽り運転の注意喚起を盛り込むとはお見事。

3作目は思わぬところから誤解が生じて危険に繋がることを注意喚起。
車間を詰めすぎると、こちらは煽っているつもりはなくても
前を走る車が「あおり運転」だと思ってしまうかもしれません。
トラブルの原因になるので、気をつけましょう。

4作目は苦い経験も考え方次第ではプラスに働く。
クルマの運転で言えば、無事故の運転につながる。
素晴らしい思考法です。

5作目は歩行者として信号のない横断歩道を渡ろうとしている時、
停車してくれたドライバーには、フロントガラス越し、
今はマスクをしているのでマスク越しではあるけれど、
お礼を伝えましょうということでしょう。
そういう歩行者が増えると、信号の無い横断歩道で、
停車するクルマの割合も上がりそうです。





優秀賞2作品と、最優秀賞1作品については、
作者ご本人による句の朗読と解説コメントで紹介しました。




私自身、今やベテランドライバーとなりましたが
それ故に、慣れや経験則による思い込みなどで
安全確認等がおろそかになっているのではないかと思い
自戒の意味を込めて本作品 を読みました。
この作品を通して少しでもドライバーの皆様の
安全に対する意識の向上に 繋がるのであれば非常に嬉しく思います。



「自分は運転がうまい」と自信を持っている人ほど運転が傲慢になり
危険を生じさせるものかもしれません。
本当に運転が上手なドライバーは、
謙虚な気持ちでハンドルを握っている人でしょう。





私は免許を持っていません。
運転してくれる家族や友人を見守る側にいるのです が
ある時ドライバーが大きなあくびをしたのを見て生まれたのがこの一句です。
もちろ ん、すぐに休憩を提案しましたが
あくび一つにも事故に繋がる危険が潜んでいると感じた 一瞬でした。



同乗者としては、命を運転手に預けているわけですから、
あくびをして眠たそうにしていれば心配になります。
誰かを乗せてクルマの運転する時は、
その人たちの安全をも守る義務があることを
ドライバーは認識するべきです。






私は大阪市内で暮らしていますが、家から駅に向かう道筋に
交通事故多発場所という立て看板の置かれた交差点があります。
交通量はそれほど多くないのですが、脇道から杭に侵入し てくる自転車や
歩行者と出会い頭に接触してしまうようです。
まさかこの道は大丈夫だろうとドライバーはついつい油断し
注意力が散漫になるでしょ う。
今回の私の川柳は、そんな街角の交通事故多発場所を思い描き
交通事故と新型コロナ の収束を合わせて願いながら作りました。



覚えておきましょう。
運転に効くワクチンは注意力。
この句も交通事故と新型コロナウイルスの収束への思い
2つを込めるとは、これも技術が高い!

交通安全川柳。
自分で考えて、つくってみると、
交通安全に対する意識が高まることでしょう。
来年の開催には家族で応募してみてはいかがですか。