第376回 横断歩道付近の走行

2022/06/17
【横断歩道は歩行者が優先】。
ほとんどのドライバーが知っていると思いますが、
このルールに従って車を走らせているでしょうか?

今週は横断歩道付近でクルマがやらなければいけないこと、
反対にクルマがやってはいけないことをお伝えしました。





過去5年間で自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は5,052件。
そのうちのおよそ7割、3,588件は歩行者が横断中の事故です。
横断場所を見てみると、横断歩道33% 横断歩道付近13% 。
横断歩道とその付近で半数弱を占めます。





クルマを運転している時の横断歩道付近には要注意だと分かります。
まず、クルマで走行している時にやらなければいけないことは
信号がない横断歩道で歩行者が渡ろうとしていたら
必ず一時停止して、歩行者が横断歩道を渡るまで待つこと。

これは道路交通法で定められています。
違反した場合は3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金。
反則金は普通車 9000円、二輪車 7000円、原付 6000円、
基礎点数は2点です。





「JAFの調査」では一時停止するクルマの割合は増えています。
初調査の2016年は一時停止するクルマの全国平均わずか7.6%でした(!)
続く2年もほぼ同じ、2017年、2018年はともに8.5%。

しかし、この問題は愛知県在住のイギリス人が、
東京オリンピックで来日する多くの外国人の安全を危惧して
新聞に投稿したことで広く知られることになります。
警察や行政もキャンペーンをスタート。

2019年に17.1%と倍増し、2020年 21.3%、
最新版2021年の調査では 30.6%と右肩上がりではありますが
まだ3割、割のクルマが停まっていない現実は何とかしたいものです。





横断歩道を認識しにくいと思っているドライバーも多いかもしれません。
これは路面に記された菱形の標識でわかります。
菱形のマークがあったらその先に横断歩道または自転車横断帯があるということ。
1つ目は横断歩道の「50m手前」、2つ目は「30m手前」に標示されています。





横断歩道付近でクルマがやらなければいけないことの2つ目。
横断歩道や自転車横断帯の手前で車が止まってる時は
その横を通って前に出る前に一時停止をしなければいけません。

これは例えばどういうケースかというと
クルマを運転していると、前方に横断歩道が見えてきた。
その手前にハザードランプをつけたタクシーが停車している。
お客さんが降りるのか? 乗ったのか?
あなたはタクシーの動きに気をつけると思いますが、
気をつけながらそのまま追い越す・・・ というのは法令違反。
いちど停車しなければいけません。
意外と知らない人が多いかもしれないこのルールを覚えておいて下さい。





次に横断歩道付近でクルマがやってはいけないこと
箇条書きで記すと

★ 横断歩道や自転車横断帯とその手前から30m以内の場所では
  他の車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけない

★ 横断歩道、自転車横断帯とその端から前後に5m以内の場所では
  駐車も停車もしてはいけない

★ 横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断している時は
  その通行を妨げてはいけない。





最後に運転者の立場ではなく、歩行者の立場の時も気をつけましょう。
横断歩道や信号機つきの交差点が近くにあれば、
その横断歩道や交差点で横断しなければいけません。
また、クルマの直前・直後の道路横断は禁止されています。
交通事故に遭った歩行者にも法令違反が多いことを覚えておいて下さい。