沖縄地方・奄美地方はすでに梅雨入りしていますが、
これからしばらくは雨の降る日が多い季節を迎え、交通事故の危険が高まります。
今週と来週は「雨の季節に備えよう」。
JAF東京支部 事業課 交通環境係 杉本 実さんにお話を伺い
注意ポイントとクルマのチェックについてお伝えします。
首都高速道路株式会社の調査によると
雨天時の事故件数は晴天時の約5倍。
雨の日の深夜となると約7倍にもなります。
考えられる理由としてはでスリップと視界不良ということで
前編ではまず「スリップ」にフォーカスしました。
雨の日にスリップしやすくなるのは路面が濡れて
ブレーキが効き始めてから停止するまでにクルマが進む距離「制動距離」が伸びるから。
雨の時は晴れの時と比べて1.5 倍になると言われています。
JAFがかつて行った実験、乾いた路面と濡れた路面で
タイヤの溝の少なさによる制動距離の違いを測ったところ
濡れた路面を100km/h で走ったとき
2 分山のノーマルタイヤで約 1.7 倍、5 分山のスタッドレスタイヤで約 1.5 倍
乾燥した路面よりも制動距離が長くなったといいます。
つまり、雨で路面が濡れている時はスピードを出しすぎない!
いつも以上に周囲に気を配り、早めの危険察知を心がける!
この2点が必要です。
そして、梅雨が目前にせまったこの時期、
タイヤをチェック! 必要であれば交換しましょう。
法令的には残り溝が1.6 ミリ以下になったタイヤは使用してはいけません。
では、そこまで減ってなければ大丈夫かというとそうとも言えません。
それは上記のテスト走行の結果が示しています。
また、タイヤはゴム製なので使用していなくても経年劣化していきます。
溝がたっぷり残っているからといって安心するのではなく、
製造から5年以上経ったタイヤは販売店等で確認をしてもらいましょう。
製造年月日に関してはタイヤの側面にゴムの中に 4 桁 の数字があり下2桁が製造年。
例えば 2412 という数字があれば2012 年製です。
そして、“スリップ”から話はそれますが、
路面に水が溜まっている時には「ハイドロプレーニング現象」の危険があります。
タイヤと路面の間に水が入り込みタイヤが路面に接触 しなくなることで
車が水の上を滑り、ブレーキやハンドル操作が効かなくなるのがハイドロプレーニング現象です。
特に起こりやすいのが高速道路。
タイヤの溝がしっかり残っていても関係ありません。
万が一ハイドロプレ ーニング現象に見舞われた時は何 もしないのが基本。
ハンドルを切ったり、ブレーキ踏み込むと、タイヤが路面に接地した時に、
危険な動きをすることになるので、落ち着いて制動が効くようになるのを待ちましょう。
来週は「雨の日の運転に注意(後編)」。
視界不良について、お伝えします。