1981年に「自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の
整備に関する法律」が施行されたことから5月は「自転車月間」。
安全運転と対歩行者事故の防止などを目的として
交通ルールの遵守やマナー向上が各所で図られています。
この時期の自転車利用で特に気をつけなければいけないのが中高生。
今週は「中高生の自転車利用」についてお伝えしました。
中高生の自転車通学中の事故を月別に見ると多いのが5月と6月。
学年別では高校 1 年生が最も多いことがわかっています。
自転車の安全利用促進委員会メンバーの遠藤まさ子さんによると
理由として考えられるのは、4 月は自転車通学を始めたばかり。
または新生活が始まったばかりで緊張感を持って登校している子も多い。
ところが1ヶ月が経ってと新たな環境にも慣れてきて気が緩んでくる。
6 月には梅雨で天候が悪い日も増えて
安全な自転車通学が今ひとつ浸透してないことだといいます。
そして、中高生の自転車事故で気をつけるべきは
被害者になるだけではなく、加害になっている割合も多いこと。
2015 年度のデータを見ると人口 10 万人当たりの加害者数は13 歳から 15 歳では 17人。
それが16 歳から 18 歳になると28 人。
他の年代よりも圧倒的に多いのです。
中高生になると自転車に乗ってスピードを出しがち。
通学時には遅刻しないように急いだりとか
下校時は友だちとはしゃぎながら運転することもあるかもしれません。
このあたり出来ればやらないように気をつけてほしいところ。
自転車利用者に多額の損害賠償が請求される事故もあります。
小学校 5 年生が坂道をマウンテンバイクで下っていて62歳の女性と正面衝突。
女性は頭を強く打ち、脳挫傷の重傷。
一命は取り留めたものの、意識障害、四肢拘縮の後遺障害が残ったというケースで
地裁は9500万円の賠償責任命令を下しました。
障害を負わせてしまった事例では
他にも数千万円の損害賠償請求が発生した事例は多々あります。
問われてるのは、やはり安全運転。
自転車が事故に関わった場合、かなりの割合で法令違反が認められています。
特に気をつけたいのが片手運転やスマホを見ながらの運転などの安全運転義務違反。
本来は走るべきではない歩道を徐行せず走る通行区分違反。
歩道は子どもや高齢者が歩いているのでスピードを出して走行することは本当に危険です。
中高生自身が気をつけるのはもちろんのこと、
保護者の皆さんにもお子さんに自転車利用の注意を促してほしいと思います。
自転車を便利な生活用品の延長と考える方も多いと思いますが「軽車両」。
乗り物に乗っているという意識を持って安全運転を心がけてください。