1月4日、警視庁は令和3年中の交通事故死者数を発表しました。
その数、2,636人。1948年の統計スタート以来の最小記録を更新。
始めて3千人を下まわった去年よりも203人減りしました。
これで5年連続の過去最低更新です。
喜ばしいことではありますが、
一方でいまだ2,636人もの命が失われているという現実があります。
重く受け止めなければなりません。
今週は「令和3年中の交通事故死者数」についてお伝えしました。
交通事故死亡者の全国統計が始まったのは1948年(昭和23年)。
最初の年はアメリカ統治下にあった沖縄は除いて3,848人でした。
やがて、高度経済成長期に入った日本は交通事故死者数も増えていきます。
統計開始から10年が過ぎた1959年(昭和34年)に1万人を突破。
さらに10年が経ち「第一次交通戦争」のピーク
1970年(昭和45年)には16,765人を記録しました。
一方で、この頃には増加の一途を辿る交通事故を何とかしようと
国を挙げての取り組みも始まっていました。
それが功を奏して1971年からは交通事故死者数は減少。
1979年(昭和44年)に8,466人、ピークの半分ほどになります。
ところが、昭和が終わる頃から再び増加。
1992年(平成4年)には11,452人となりました。
この「第二次交通戦争」の背景には運転免許保有者数や自動車の増加、
運転技能が十分ではない若い運転者の急増があったとされています。
再び国をあげての交通事故対策。
法律や道路環境の整備、交通安全の啓蒙活動が行われ
効果が始めたのが1993年(平成5年)。
以後、時に前年を上まわる年がありながらも
交通事故死者数は減少しています。
さまざまな情報より社会の交通安全に対する意識の強まりが高まったのでしょう。
また、今回お話をお聞きした一般社団法人 安全運転推進協会の平石 章さんは
車両の安全性の向上や衝突回避システムの導入、
医療技術の向上が挙げられるのではないかと話して下さいました。
しかし、全体として減少する中で心に留めておきたいことがあります。
それは交通事故死亡者の中で増えている高齢者の割合。
2001年の交通事故死者数は前年比7.2%減ですが高齢者は4.8%減。
その結果、全体に占める割合は57.7%と過去最高に達してしまいました。
これは“割合”の話。
ゼロにならない限り、どこかの世代が減れば、どこかの世代が増える。
比較が難しいところではあります。
とはいえ、高齢者の交通事故死亡者数は前年から4.8%減りつつも、
全体に占める割合は 57.7% で過去最高。
具体的な数字では1,596人から1,520人になっていますが、
減少の仕方が他の世代と比べて緩やか。
高齢者と同居している方、高齢者が身近にいる方は、
クルマの運転や、徒歩や自転車での外出について、
機会があれば注意を促すようにして下さい。
最後に人口10万人あたりの交通事故死者数が多い都道府県
ワースト5を紹介しておきましょう。
5位 高知県
4位 愛媛県
3位 香川県
2位 山梨県
1位 徳島県
該当する県住む方は特に気をつけましょう。