第355回 クルマの凍結

2022/01/21
昨日は二十四節気の大寒。
1年でいちばん寒い時期を迎えています。

朝、出勤などでクルマに乗ろうとした時に
フロントガラスが凍結していることが北国だけでなく全国であるでしょう。

今週はJAF 東京支部 事業課交通環境係 栗原 悠羽さんにお話を伺い
「クルマの凍結」をテーマにお送りしました。





2018年高松市内の市道を歩いていた小学生の男児2人に対し、
後ろから低速で走行してきた軽トラックが衝突する事故が起きました。
軽トラックはフロントガラスに霜が付着した状態で
前方がほとんど見えずに走行していたそうです。
幸いなことに2人は軽傷で済みました。

「フロントガラスが凍結していて前が見にくい。
でも、目的地は近いからいいか・・・」そんな気持ちは危険。
経験したことのある方はわかるはず。
フロントガラスが凍結していたら氷や霜をなくして出発しましょう。





栗原さんによると以前JAFではフロントガラスの凍結を
どのような方法で溶かすのがいいか2パターンで実験しました。
解氷スプレーとエアコンのデフロスター機能を使って解凍時間を比較したのです。

その結果、エアコンのデフロスター機能だと視界が確保できるまで約10分。
待っている間はアイドリングしているので環境面に負荷もかかります。
一方で市販の解氷スプレーだと1分程度。
フロントガラスに水やお湯をかける方法もありますが、
温度差でガラスにヒビが入ったり、溶けた水が走行中に凍ってしまうこともあります。
注意して下さい。





フロントガラスの凍結に遭遇するのは基本的に朝。
出勤前、急がなければいけない状況が多いと思います。
そのまま出発するのは論外。
エアコンのデフロスター機能で凍結をとったはいいけれど
遅れを取り戻すためスピードを出すのは危険。
冬の時期は市販の解氷スプレーを準備しておきましょう。





事後対策をするのはもちろん、
事前対策を講じておけば、凍結を防げるかもしれません。
JAFは条件が異なる3台のクルマを用意して実験を行なった事があります。

何も対策していないクルマ。
撥水剤をフロントガラスに塗ったクルマ。
フロントガラス全体にカバーをかけたクルマの3台です。

何も対策しなかったクルマの場合はフロントガラスが凍結。
朝になってヘラやスクレーパーを使っても凍結を取りきれず
視界を確保することができない結果になりました。

撥水剤を事前にフロントガラスに塗っていたクルマは
やはり凍結しましたがスクレーパーを使うことで
氷をすべて削り落とすことができて視界を確保できました。

フロントガラス全体にカバーをかけたクルマは凍結せず
これが1番有効な対策だということがわかりました。

専用カバーはカー用品店でも販売されていますし、
家庭の毛布やバスタオルでも代用できます。
やっていない方は是非カバーによる凍結対策を始めてみてください。





また、寒冷地では雪が降っている時に路面の汚れがつきやすくなるので
ウィンドウォッシャー液の使用頻度が高まりますが、
ウォッシャー液が凍ってしまう可能性あり。
寒冷地用を使用するか、外気温に合わせて濃度調節が必要です。

また、エンジンの冷却液も凍結してしまうかもしれません。
これも外気温に合わせて適切な濃度に調整するよう心がけて下さい。