国土が狭くて山が多い日本。
坂道もたくさんあり、例えば東京だけでも名前がついた坂が800以上。
そんな坂道を運転していてヒヤッとした経験がある方もいるかもしれません。
坂道は平坦な道と違った注意が必要。
今回は「上り坂の運転」にフォーカスして注意点をお伝えしました。
お話を伺ったのはJAF神奈川支部 事業課 交通環境係長 高木 孝 さんです。
平坦な道と登り坂を運転している時の違い。
それは何と言っても視認性の差。
坂の傾斜角度が高いほど前方が空しか見えません。
対向車の有無や障害物の有無が分からないことさえあります。
いないはずの自転車が突然現れるかもしれません。
しかし、実際にはいきなり出てくるわけではなく
その前から走行はしていて道路の構造上見えなかっただけ。
だから、いつも自分に向かってくる交通参加者の存在を予測する必要があります。
高木孝さんによると上り坂には3つの注意点があるといいます。
それは「速度」と「日差し」と「頂上についた安心感」。
上り坂では「速度」がどうしても落ちるため
アクセルを踏み込んで一気に登ろうと思いがち。
しかし、スピードが出ているほど対向車や街路から出てくる車
自転車や歩行者の認識が遅れることになるので
できるだけ速度を落とした運転が求められます。
また、上り坂では太陽が高い位置にあっても「日差し」が差し込むことがあり
サングラスをかけるなど何らかの対策を取る必要があります。
最後に坂の頂上に近づくと視界が開けてくる。
その安堵感からいつよりも注意力が落ちるかもしれません。
交差点で自分が優先であっても過度な優先意識を持たないこと。
一時停止を見落とした車や自転車が交差点に進入する可能性もある。
そういった可能性を意識するようにしましょう。
坂道の中には道幅が狭く、すれ違いが難しい箇所があります。
そんな時は坂道を上って来た側が道を譲ろうとすると
下り坂をバックで下がるということになり危険を伴うので
坂道を下ってきたクルマが譲るということを覚えておいて下さい。
また、坂道での駐車についてですが、
車両は坂の頂上付近や勾配の急な坂では一時停止等の指定がある場合を除いて、
道路交通法で駐停車が禁じられています。そのことも覚えておいて下さい。