1年前、それまで取り締まる規定がなかった、
世間の話題のいわゆり”あおり運転”を取り締まるため
道路交通法に妨害運転罪が規定されったのが去年の6月30日。
1年が過ぎて、その後の状況はどうなのか、今回はお伝えしました。
お話を伺ったのはモータージャーナリスト 菰田潔さん。
菰田さん曰く、妨害運転罪はかなり厳しい罰則となりました。
一般的な「あおり運転」は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金、行政処分が反則点数25点。
高速道路で停車など著しい危険を生じさせた場合には5年以下の懲役、100万円以下の罰金、
反則点数も35点で免許取り消しになり、欠格期間が3年です。
では、この1年間でどのくらい「あおり運転」が摘発されたのか?
警察庁によると38都道府県警で計100件(96人)でした。
そのうち高速道路上で相手を停車させるなど罰則の重い「著しい危険」は29件(29人)。
菰田さんは、これだけの人がまだ”あおり運転”をするのかと驚いたといいます。
妨害運転罪として規定された運転行為は10。
そして、この1年で摘発された100件を運転行為別に見てみると
「急ブレーキ」が最多の24件
「急な車線変更」20件
「幅寄せ・蛇行など」と「車間距離不保持」がともに16件
「高速道路上の駐停車」9件
「左からの追い越し」6件
「執拗なクラクション」5件
「逆走」3件
「高速上の低速走行」1件
「ハイビーム」0件
そして、「著しい危険」とされた29件の内訳は
「急ブレーキ」と「高速道路上の駐停車」がともに8件
「急な車線変更」6件
「幅寄せ・蛇行など」 4件
「車間距離不保持」 2件
「左からの追い越し」1件
ちなみに、あおり運転は「通行を妨害する意思」の証明が不可欠。
100件のうち93件はドライブレコーダー、
6件はスマートフォンや防犯カメラなどの映像があり、
1件は目撃情報となっています。
そして、私たちやリスナーの皆さんも、
クルマのハンドルを握る時は、煽られない運転を心がけた方が良いと
菰田潔さんは指摘します。
例えば、高速道路の追い越し車線を制限速度でずっと走り続ける、
追い越し車線を前の車がいないのに走っているのは、これはこれで違反行為です。
自分が正しい、相手の間違った運転を正してやろうという思いが、
煽られる原因になってしまうこともあります。
前のクルマと相応の車間距離をとる、
クラクションは出来るだけ使わない、
パッシングライトの利用の仕方に注意するなど、
煽られない運転をするように心がけましょう。
それでもあおり運転に遭遇してしまった時は相手にしないのが原則。
先に行こうとスピードを上げると追いかけてくる可能性があるので
パーキングに止まる、どこかに入ってしまう、違う道に行く。
自分が良いとか悪いではなく、煽られたら逃げる安全な場所に駐車する。
そこへ相手がきた時は、ためらわず110番、警察に電話しましょう。
警察が来るまでは車外に出たり、窓を開けたりせず、待機します。
ドライブレコーダーやスマートフォンで動画を撮影することも効果的です。
あおり運転に遭遇しないよう気をつけましょう。
そして、決してあおり運転をする側にはならないでください。