第332回 ゾーン30のこれから
2021/08/13
フランスのパリでは交通安全促進と騒音現象のため
もうすぐ、ほぼ全域で車の走行は時速30キロ以下に規制されます。
日本では2011年、生活道路での歩行者・自転車の安全な通行のために
区域を定めて車の走行時速を30キロに制限する「ゾーン30」がスタート。
10年が経ちました。
今回の「なるほど! 交通安全」は「ゾーン30のこれから」。
国際モータージャーナリストの清水和夫さんにお話を伺いました。
「ゾーン30」は歩行者、自転車の重傷死亡事故が多い生活道路での
自動車の走行速度を最大30km/hに規制するルール。
令和2年度末現在で全国に4,031あります。
警察庁は2016年末の段階でゾーン30」の691ヶ所を調査しています。
それによると、人身事故件数は3割減少。
事故抑止に効果があることが検証されました。
今年4月には韓国でも都市部の住宅街など、
生活道路での速度制限を時速30キロに施策を始めました。
世界的に「時速30キロ」となってきたことには意味があります。
交通事故の重傷死亡と衝突速度の関係を見ると
時速30kh/hを超えると重傷率が上がることがデータから見てとれるのです。
自動車は速度の自乗に比例して運動エネルギーは大きくなり
時速30km/hから33km/hへと10%上げただけでエネルギーは約20%上昇します。
実際の交通事故のデータと照らし合わせ、衝突しても被害を最小限に抑えられるということで
時速30キロという数字が出されているのです。
警察庁によると、道路で車と衝突した際の歩行者の致死率は時速50キロ台だと16.6%。
30キロ未満だと0.9%まで減少するのでゾーン30の普及には意味があります。
一方で、今回お話をお聞きした清水和夫さんは、
警視庁・国土交通省などの政策アドバイザーでもある方。
一方で自動車自体の性能でもスピードを制限するべきだというご意見です。
また、日本では高スピードで走るところで取り締まりをする比重が高いですが
歩行者、自転車の重傷死亡事故が多い生活道路で
車の速度の厳格化が必要だともおっしゃっていました。
まず、ドライバーは、
ゾーン30では、時速30キロを守りましょう。