先月、経済産業省が65歳以上に向けた「サポカー補助金」について
申請受付の終了見込みを発表しました。
「サポカー補助金」は2つの補助金の総称です。
1つは、経済産業省による自家用自動車が対象の
「安全運転サポート車普及促進事業費補助金」。
もう1つは、国土交通省による事業用自動車が対象の
「安全運転サポート車普及促進に係る自動車事故対策費補助金」。
65歳のドライバーがサポカー=先進安全技術を搭載した
新車や中古車を購入するなら国が補助金を出しましょうという制度です。
サポカーは「セーフティー・サポートカー」の略称で
「被害軽減ブレーキ」と呼ばれる障害物をセンサーが認識したら自動で止まったり
前方に障害物があればペダルの踏み間違っても
センサーで加速を抑制する機能を持つクルマを指します。
また、新車・中古車の購入ではなく、後付けの「ペダル踏み間違い急発進等抑制装置」を
購入する場合も補助金を受けることができます。
政府広報ポスター/パンフレットによると
登録車の場合「最大10万円」
軽自動車なら「最大7万円」
中古車なら「最大4万円」
後付け装置なら「最大4万円」となっています。
国際モータージャーナリスト 清水和夫さんによると
サポーカー補助金導入の背景には政府による交通事故死者数の減少目標があります。
いわゆる被害軽減ブレーキ普及が普及、11月以降は全新型車に搭載が義務化されるので
サポカーの補助金を出し、早く新型車に乗り換えてもらおうという意図があります。
実際、交通死亡事故への高齢ドライバーの関与には気になる傾向が見られます。
交通死亡事故の「人的要因」を見ると、ドライバーが75歳未満では
「ハンドル操作のミス」「ブレーキとアクセルの踏み間違い」などの操作不適は16%ですが、
75歳以上だと30%になります。高齢になるほど運転操作のミスが多いのです。
この人間のミスをテクノロジーで防ごうというわけです。
清水さんによると、2025年までさらに1200人ほど死亡者数を減らすことが政府方針。
しかし、技術だけで実現するのは難しいと指摘します。
歩車分離をする、歩行者専用レーンをつくる、ゾーン30の導入など
道路のあり方、交通行政のあり方、取り締まり等の厳罰化を総合的に
行っていくことが目標達成に繋がると言います。
また、高齢者に対しては、免許返納を求める強い声もありますが、
クルマが必要な環境に暮らす人も少なくありません。
そうした社会の実状に沿って対策を講じていく必要があるでしょう。
清水和夫さんによると、今後は軽自動車より小さい車でスピードの出ない、
いわゆる「グリーンスローモビリティ」の登場が期待されます。
これは地域の中だけ限定して走るような車。
技術と社会整備を通して人と車との関係を新しく作り上げていけば
お年寄りもハンドルを握れる安全な交通社会を構築できるかもしれません。
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