第321回 梅雨時運転の注意点

2021/05/28
例年にない早さで梅雨入りしている日本列島。
ふだんからクルマを運転する方は認識していると思いますが、
晴れている時と比べて雨の日は危険。
しばらく続く雨の季節の始まりに再確認しましょう。





雨の日は路面が滑ります。
それは濡れたタイヤは道路との接地面が少なくなるから。
ブレーキを踏んでから停車するまでの「制動距離」はある実験によると・・・


<時速60km/h>

乾燥している路面 20m
濡れている路面 28m


<時速80km/h> 

乾燥している路面 36m
濡れている路面 50m


当然、スピードが出ているほど滑ります。
雨天時には速度を控えて走るよう心がけて下さい。

また、タイヤの摩耗も滑る原因になります。
新品のタイヤは溝の深さが8.5ミリから8ミリ。
乗っているうちにタイヤはすり減って溝が浅くなります。
1.6mmあれば車検は通りますが
専門家は4mmぐらいでの交換を推奨しています。

以前、JAFは新品タイヤと2分山タイヤのクルマ
2台を時速100km/hで走らせて
ブレーキをかけてから停まるまでの距離を測りました。
新品タイヤが47.6 m。二分山タイヤが70.5m。
タイヤの溝をチェックしておきましょう。





また、雨天時はあたりの薄暗さと
クルマのウィンドウに付着する水滴で視界が悪くなります。

首都高速道路 株式会社の調査では、
交通事故数を天候の時間を鑑みて比較すると
雨天時は晴天時のおよそ5倍。
AFによると雨天時の深夜は、
晴天時のおよそ7倍も交通事故が発生しています。

雨の日の交通事故の起こりやすさは路面が滑ることに加えて
「視界が悪くなる」という要素もあるからでしょう。
双方向で気をつけなければいけません。

まずは、自分の視界が悪くならないよう努めましょう。
フロントガラスの油膜を除去する
ワイパーのゴムが劣化していたら交換する
サイドミラーに撥水剤を塗るなど
視界が確保できるよう対処をします。

もう一方で、他のクルマや自転車、歩行者に早く気づいてもらえるよう
昼間でも暗い道路環境であればライトを点灯してください。





ここ数年、梅雨前線が長い間、同じところに停滞。
大雨となるケースも少なくありません。
より一層の警戒心を持つように心がけたいものです。

これまで土砂崩れが発生したことがない場所でも
土砂災害が発生する危険があります。
大雨の予報が出ていたり、土砂災害警戒情報が出ている時は、
可能な限り山間部での運転は控えて下さい。

しばらくは雨が多い日々が続きます。
あらかじめ雨の対策をきちんとしつつ、
運転時はスピードを出さず、周囲に配慮して、
事故を招くことを避けましょう。