第316回 バスの停留所付近に注意

2021/04/22

クルマを運転している時、歩いて横断歩道を渡っている時、
バス停に停まっているバスの車体横断歩道にかかっていて、
「あれ?」と思った経験は、ありませんか?
実はそんなバス停が全国にかなりあることが分かりました。





横浜市で3年前、
横断歩道をふさいでいるバスを避けながら
道路を渡った子どもが、車にはねられ亡くなりました。

これをきっかけに注目されているのが、バス停の設置位置。
その後、国土交通省が全国40万カ所のバス停を調査したところ
横断歩道や交差点近くにある危険なバス停はおよそ1万もあったのです。

国土交通省はそれらのバス停を安全対策を施す優先度を示すため
A・B・Cの3段階に分類しました。





1番優先すべきAランクのバス停は
過去3年間に停車したバスが要因となる人身事故が発生している、
バスが停留所に停車した時に横断歩道に車体がかかるところ。

Bランクは、Aランク以外でバスが停車している時に
横断歩道の前後5メートルの範囲に車体がかかる停留所、
または交差点に車体がかかる停留所。

Cランクは、A、Bランク以外で
交差点前後5メートルに車体がかかる停留所、
地域住民の意見、各都道府県の実情に応じて抽出したバス停。

最も危険性の高い【A】は 1,615カ所、
【B】は5,660カ所、【C】は2,920カ所となっています。





バスのような大きな車体の車は、
通常の車以上にいわゆる死角ができやすくなります。

進行している車、バスと同じ方向に走っている車、
あるいは対向車側から見ても、バスの前後から渡ってきた歩行者がいた場合、
目の前に出てくるまで気づくことが難しい危険性があります。

歩行者側も横断歩道を渡る際に反対側にお店などがあった時に、
よく左右を見ないで出てきた場合、車に気づかずに接触してしまう。
あるいは道の幅によっては、バスを追い越してきた対抗車両と
接触してしまう危険性も考えられます。





危険なバス停に停車するバス。
その危険に巻き込まれないためには
走行しているクルマも付近の横断歩道を渡る歩行者も
おのおの気をつけなければいけません。
      
ドライバーにとっての注意点は、
自分が走っている先や対向車線側にバスが停まっている場合、
その前後から歩行者が出てくるかもしれないと考えることが大切。

横断歩道については、信号機のない横断歩道を通行する場合、
歩行者がいる場合は必ず一時停止をして、
歩行者を優先させることが道路交通法でも定められています。

信号機のない横断歩道の手前では菱形のマークが表示されていて
歩行者が横断してくるかもしれないということが分かります。
そのマークが見えた場合は必ず減速して、
歩行者がいないことが明らかでなければ、
すぐに止まれるように走行することが大切です。





歩行者としてはバス周囲は大きな車体が死角となって運転手から認識されにくいもの。
横断歩道がある場合でも必ず左右をしっかり確認して渡ることが重要です。
また横断歩道がない、あるいは少し離れていて、遠回りになってしまうような場所でも、
そういったところでバスの前後を横断すると直前まで
ドライバーの方に気づかれずにぶつかってしまう危険性があるので、
必ず横断歩道がある場所を渡ることが重要です。