第311回 岡山県 あおり110番 鬼退治ボックス

2021/03/12
去年6月に公布された改正道路交通法により
いわゆる「あおり運転」を直接取り締まることができる
「妨害運転罪」が新たに定められました。

その後、警察がウェブサイト内で情報提供を呼びかける動きが出ています。
今週は口火を切った「岡山県 あおり110番 鬼退治ボックス」について
岡山県警察 交通指導課 課長補佐 川崎慎人さんにお話を伺いました。

開設のきっかけは、あおり運転など、
悪質危険な運転に起因する交通死亡事故や、
暴行、傷害といった事件が発生して大きな社会問題となったこと。

取り締まりを求める県民の声が高まり
あおり運転などの危険な運転の検挙や抑止を目的として、
ホームページ上に情報提供ページをつくりました。





開設してからの1年間集まった投稿は1098件。
そのうち830件で動画や写真などの情報提供がありました。
今年に入っても2月末現在までで135件。

例えば、前の車が進路変更をしたことをきっかけに
後ろの車がクラクションを鳴らした、
これによってクラクションを鳴らされた車が鳴らした車に対して、
ブレーキを踏んでみたり、鳴らした車が進路変更するところを
前方で塞ぐように合図なく妨害するように進路変更したり、
そのあと止まってトラブルになったというような情報提供がありました。

また、同じく後ろを走行している車に対して、
何回も進路変更をして幅寄せをして
後ろの車の通行を妨害するような動画もありました。

悪質なこのような妨害する運転だけでなく、
信号無視をしたりだとか、合図を出さない車両など、
様々な危険な交通違反をする車両の情報提供があるそうです。





こうした情報については実際に捜査にも乗り出します。
最初の進路変更を契機として双方の運転手がトラブルになった事例については、
道交法改正前、まだ妨害運転の罰則ができる前だったので、双方から状況を確認。
それぞれの違反について反則切符ということで検挙をしております。
2番目の事例については幅寄せした運転手を妨害運転罪ということで検挙しました。

その他の違反に関する情報提供にしても、
その動画を参考に管轄の警察署で捜査を行って検挙した例もあります。
また、その情報を参考に取締りの活動に有意義に使っているそうです。





先月、長野県警が、やはり「あおり」の被害者や目撃者からの
情報提供を受け付ける「あおり通報BOX」を、
新潟県警が「あおり運転」と「飲酒運転」の情報を受け付ける
「あおり運転BOX」と「飲酒運転BOX」をウェブサイト内に開設。
こうした動きは、さらに広がっていくかもしれません。
存在が広く知られるようになれば抑止力にもなるでしょう。





みなさんがお住まいの都道府県警察でも、
情報提供BOXを開設しているかどうか調べてみて下さい。

そして、自分が「あおり運転」をする側にならないよう気をつけましょう。
「妨害運転罪」は重いです。

他の車両等に道路で交通の危険を生じさせるおそれのある運転をした場合は、
懲役3年以下または50万円以下の罰金。
違反点数25点で運転免許取消し。欠格期間2年。

高速道路などで他の自動車を停止させ、
その他、道路で著しい交通の危険を生じさせた場合は、
5年以下の懲役または100万円以下の罰金。
違反点数35点で運転免許取消し。
欠格期間3年です。