第283回 左折時・右折時の対歩行者事故

2020/08/28

クルマを運転していて、左に曲がる時、あるいは右に曲がる時、
歩行者と接触しかけて「ヒヤリ」としたことはありませんか?

自動車と歩行者の交通事故が起こった場合、
100%近く自動車のドライバーに過失割合があるとされます。
充分に注意してハンドルを握らなければいけません。

今週は「右折時・左折時の対歩行者事故」がテーマ。
JAF東京支部 事業課 交通環境係  高木 孝さんにお話を伺いました。





【左折時の対歩行者 注意例 その1】

左折をしたいので歩行者の交差点横断を待っているドライバー。
渡り終えたので左折しようとしたところに新たな歩行者が現れるケース。
新たな歩行者は、この左折車が止まっているのを見ていて、
今のうちに横断しようと交差点を渡り始めた。
ドライバーは”目前の歩行者が渡り終えたら”と思っているので
別の歩行者のことに気づきにくい。



左折の場合は前方から交差点に入って来る歩行者は見えやすく、
進行方向と同じ方向、視界の左側から来る歩行者は確認しにくいもの。
きちんと首を振って目視しましょう。






【右折時の対歩行者 注意例 その1】

前の車に続いて右折する時に意外に事故が起きやすい。
先行者はギリギリ歩行者の前を右に曲がっていったのかもしれない。
その後に無闇に続いてしまうと歩行者と接触してしまう。
それも左前方から来る場合は視界に入りやすいが、
右後方は意外と見えにくいので、しっかり見る。
面倒だと思わず、きちんと安全を確認した後、ハンドルを切る



特に急いでいる時や、そろそろ信号が変わるだろうというタイミング、
ついつい前のクルマに続いて、右折をしている人もいるかもしれません。
それは危険です。きちんと、自身でも、歩行者の有無を確認しましょう。





【右折時の対歩行者 注意例 その2】

今度は自分が右折の先頭に立ったケース。
後方に右折車が連なるとプレッシャーを感じるかもしれないが安全優先。
直進車の流れがわずかに途絶えた時、それでも次の直進車も近づいてきている、
急いで渡ることに気を取られて歩行者の存在を見落としているケース。
意識しておきたいのは、どんなにプレッシャーがかかったとしても、
対抗直進車だけではなく歩行者を考慮に入れること。






右折の場合は「直進してくる“あのクルマ”が通過したら曲がろう」
と思っていてハンドルを切ったところ、
そのクルマの後方に見えていなかったオートバイや自転車がいた!!
ということもあるので、その点でも注意が必要です。


【歩行者視点での注意点】

急いでいる時や信号が間も無く点滅しそうな時、
駆け足気味に交差点に入っていくことは危険。
その時に左折しようとする車が止まっているとしても、
それは自分のため停車しているのでは無く前の歩行者のため。
そのクルマが自分のことを気にしているか注意を払う。
自分の身を守るためにも、そういう習慣を身につけましょう。






ドライバーにとって右折左折時は、通常の直進走行をしている時に比べて、
注意を向けるべきポイントが多いところだと理解しておきましょう。
クルマだけではなく、歩行者のことも気にとめる。
その歩行者は信号無視をしてくる可能性も少なからずありませう。

必要なのはゆとりと余裕。
気持ちに余裕を持って充分に減速、場合によっては停止。
確認をしてから左折する、右折することが事故の回避に繋がります。