街を歩いていて、またはクルマや自転車を運転していて、
歩きスマホをしている人と「ぶつかりそうになった」
「ぶつかってしまった」という経験がある方、いらっしゃるでしょうか?
るいは、自分が歩きスマホをしていて、
「危ない目にあった」という方もいるかもしれません。
歩きスマホは事故の元。
今週は7月1日から神奈川県 大和市で施行された
「全国初の歩きスマホ防止条例」についてお送りしました。
大和市役所 道路安全対策課 山口博一さんによると
大和市で歩きスマホ禁止条例の話が出てきたのは去年の5月。
市長からの指示でした。
歩きスマホを原因とする重大事故は確認していませんでしたが、
注意力が散漫になり重篤な交通事故に遭う危険性も高くなります。
大和市は神奈川県内で2番目に人口密度が高い自治体。
スマホの所持率はパソコンの世帯保有率を上回る79%以上で
今後さらに普及率が高くなることから、
事故を未然に防止するために制定されました。
東京消防庁によると、
管内の歩きスマホなどが原因の事故で救急搬送された人は、
2015~2019年の5年間で199人。
これは「救急搬送された人。
事故にあった人の数はもっと多く、
しかも、東京管内の話なので全国にはもっと多い怪我人がいるはず。
歩きスマホで、小さな子どもやお年寄りとぶつかれば、
大怪我をさせてしまうかもしれません。
駅のホームから転落した死亡事故も起きています。
大和市が制定した条例では、
道路・駅前広場・公園などの公共の場所で
「スマホ等の画面を注視しながら歩行すること」を禁止。
合わせて「スマホ等の使用は通行の妨げにならない場所で
立ち止まった状態で行うこと」を定めています。
スマートフォンのほか、携帯電話、タブレット端末、
これらに類する物ということで、
画像を表示して使用する機器は対象となります。
この条例については罰則はありません。
取り締まりが強化で社会全体が窮屈になるマイナス面もあるので
全ての禁止行為に罰則を設ければいいいう訳でもないという考えに立ち
市民、事業者は意識啓発など市の施策に協力するよう努める責務を定めています。
路上喫煙防止も過料をかけている地域とかけていない地域がありながら
啓発活動が続けられた結果、ほとんど見かけなくなりました。
歩きスマホも同様の視点で期待しているということです。
そして、驚くことに大和市の条例制定については海外メディアも注目。
フランスAFP通信やイギリスBBCなどの取材を受けたとか。
これからも一層、市民への普及を図りたいとしています。
大和市に続いて、東京都足立区でも公共の場所での
“ながらスマホ”禁止を盛り込んだ罰則規定なしの条例が施行されました。
今後、追随する地方自治体も出てくるでしょう。
ただ、法令ではなく、各々の意識で「歩きスマホ」をなくしたいものです。