第280回 夏のロングドライブ(後編)

2020/08/07

子供たちが夏休みに入り、お盆の季節が近づいてきました。
今週は先週の続き「夏のロングドライブ」の後編。
出発後の注意点をモータージャーナリスト 菰田潔さんに聞きました。


1)あおり運転に注意

最近、たびたびクローズアップされる「あおり運転」。
自分にその気がなくても、前の車に煽っていると思われる運転があります。
それは前を走る車との車間距離。

世界的には、いま車間距離は2秒とるというのが標準。
1秒だと前の車は後ろの車が迫っていると思います。
それで嫌でアピールのため急ブレーキを踏むと
後ろの車は急ブレーキを踏んだことに怒るという悪循環に陥ります。
前の車と2秒間離れていれば視界も開けて、その点でも安全。
疲れも少なく、燃費も良い運転です。

ちなみに「2秒」をメートル換算すると、
高速道路だと時速100キロで1秒28m走るので約56m。
一般道だと時速50キロで1秒14m走るので約28m。





2)適切なポジションで疲労を避ける

菰田さんによるとドライビングポジションが運転の疲れの80%。
正しいドライビングポジションは意外とハンドルに近い状態です。
シートに深く腰掛け、アイポイントは、やや高めにする。
フットレストに左足で踏ん張っても膝がきちんと曲がるようにする。
ハンドルとシートバックの距離はハンドルの一番上を握っても
肘が少し曲がるくらいの位置でヘッドレストもきちんと合わせる。
直進している時でもハンドルを手のひら少し前に押すような感じで持つと
背中がシートバックにきちんとついて楽に走行できます。





3)仮眠のとり方

先週、出発前の準備で伝えた「凍らせた水」と「硬いおせんべい」。
飲んで、食べてみたけれど、やっぱり眠気が・・・zzz
そんな時は仮眠を取ります!

正しい仮眠の取り方はサービスエリア、パーキングエリアに入り、
まずはカフェインを飲むことが大事なポイントです。
そしてすぐに寝てください。仮眠の時間は15分から20分。
それ以上長く寝ると本格的に眠くなってしまうからです。

カフェインが効くのは飲んでから30分後。
起きたら冷たい水で顔を洗い、
運動をして運転を始めた頃にカフェインが効いてきます。





4)もしも事故を起こしてしまったら 

事故が起こってしまった場合には負傷者の救助が第一。
そして警察に連絡をして救急車を呼びます。

それから交通の障害にならないように車を避けるのも大事なポイントです。
高速道路で事故を起こした場合は走行車線に降りないで下さい。
車を必ず路肩に停めてから降りましょう。
車を路肩に停めた場合、特に夜は遠くからだと前の車が走っているように見えます。
車から100メートルくらい後ろに三角表示板を立てましょう。
間違っても後から来る車に轢かれないようくれぐれも気をつけましょう。