第271回 つい、やりがちな危険運転(後編)

2020/06/05

今週は先週に続く「つい、やりがちな危険運転」後編。
コメントはJAF東京支部  事業課 交通環境係  高木 孝さんでした。





最近マイカー利用が増えたみなさんは、
お伝えする内容に気をつけてハンドルを握るようにして下さい。
日頃、クルマに乗ってきた方も改めて自身の運転を省みて下さい。

薄暗くなると自動でヘッドライトが点灯する「オートライト」機能。
4月1日から、新型乗用車への搭載が義務化されました。
継続生産中の車種については、来年10月から義務化されますが、
ヘッドライトは、多くの人が間違った認識を持っているかもしれません。

道路運送車両法上ではハイビームが「走行用前照灯」。
ロービームは「すれ違い用前照灯」。
実際は街中ではロービームで走ることが多いと思いますが、
法律上は「走行用前照灯」のハイビームで走り
前方に車がいたり、対向車がいる時にロービームに切り替えるべきものです。
暗い道をロービームで走っていると無灯火と見なされることがあるので注意。
反対にハイビームにして走行していて、対向車を眩惑させたりするのもダメ。
状況によってしっかり切り替えるようにしてください。





続いては高速道路の利用。
つい、追い越し車線を走り続ける人がいるかもしれません。
これも法令違反です。

追い越し車線は名の通り、追い越す時に利用するもの。
それ以外は走行車線を走ることになっています。
追い越しをしたら速やかに走行車線に戻る。
こういったことを全てのドライバーが了解していれば、
皆が道路がお互い気持ちよく使えます。

追い越し車線をゆっくり走っていると、
“あおり運転”を呼び込んでしまうかもしれません。
その点にも気をつけて下さい。





買い物などや、ちょっとした用事でクルマを離れる時、
エンジンをかけたままにしていませんか?
車両は、他人に無断で運転されることがないよう
必要な措置を講じる義務があります。

エコドライブの観点からもからも好ましくありません。
燃料の2割くらいは停止のアイドリングで使っていることもあるとか。
そういう部分も考慮して、エンジンを切るようにしましょう。





最後に、これから雨の時期。
気をつけなければいけないのが水はね、泥はね。
道路交通法には、ぬかるみや水たまりを通行する時、
徐行するなどして泥水、汚水などを飛ばして、
他人に迷惑を及ぼすことがないようにすることが規定されています。
気をつけて下さい。

JAFの実験によると、水深1cmの水たまりがある時、
時速40kmで走ると水が歩行者にかかってしまいます。
半分の20kmでも水がかかってしまうリスクがある。
速度を10km程度にすると水はかからない。
以外と水や泥ははねてしまうものということを覚えておいて下さい。

「つい、やりがちな危険運転」は、法令違反でもありますが、
他のドライバーや歩行者などが迷惑を被ります。
事故にも繋がりかねません。

こうしたことを避けるのは「思いやり」の気持ち。
「思いやり」を胸にハンドルを握っていれば
自分勝手な運転はしなくなり、事故が減るはずです。
ドライバーの方はいま一度、自身の運転について考えてみて下さい。