第269回 飲酒運転根絶の日

2020/05/22

宮城県では5月22日は県の条例で定めた「飲酒運転根絶の日」。
今日は、ちょうどその日ということで、
宮城県 警察本部 交通企画課 交通事故総合分析室長 
北野原聡さんにお話を伺いました。





平成17年 5月22日 仙台市に隣接する多賀城市内で
仙台育英学園高等学校 新入生のウォークラリーの列に飲酒運転の車が突入。
亡くなった方が3名、怪我をした方が15名という交通事故が発生しました。

この痛ましい事故を契機として宮城県は平成20年
「宮城県 飲酒運転 根絶に関する条例」を施行。
「飲酒運転根絶の日」が制定しました。





北野原さんによると、宮城県内の飲酒運転摘発は
平成19年前後に法の改正とその他にもより
前年に比べて半減する大幅な減少がありました。
しかし、その後はほぼ横ばいという状況。
去年は取り締まりで221件、
交通事故で204件の違反を検挙したそうです。

ここ数年は足踏み状態ということで
警察関係者からすればもどかしいと思いますが
北野原さんが飲酒運転で逮捕されたドライバーたちの
逮捕直後と翌日の様子の違いの話が印象的でした。

「取り締まりを受けた直後は大言壮語して
”俺がやったんだから俺が責任とればいいんだろ!”というような
非常に勢いのいいことを言っていた人が、留置された翌日、
酔いが覚めた後でやったことの重大さ、会社をクビになるとか、
運転免許がなくなるということに怯えて、非常に小さくなっている、
そういうような姿は何回も見たことがあります」

お酒を飲むと気が大きくなるもの。
それが事故を引き起こす原因の1つにもなるわけですが
飲酒運転をやって後悔した人は全国に数多くいることでしょう。





お酒を飲んで車に乗ろうとしている人に対して
飲酒運転促すような行為・行動も処罰の対象になります。
お酒を飲んでいることを知りながら車を貸す、
また飲むことを知りながら車を貸した人は、
運転者が酒運転などで捕まった場合、
5年以下の懲役、または100万円以下の罰金が課されます。

最後に北野原の話しにあったのが「飲酒運転で失う6つの宝」。
そのことを記しておきましょう。

1. <命>

  宮城県内のデータでは飲酒運転による事故は
  お酒を飲んでいない時に比べて亡くなる確率が約8倍
  死亡事故に直結すると言われています

2. <家族>

  飲酒運転を起こしたことで幸せな家庭が一瞬で崩壊するケースも少なくありません


3. <仕事>
 
  会社によっては懲戒、解雇になり、仕事を失うこともあります

4. <社会的信用>

  飲酒運転で逮捕されると実名で報道されます
  これまで築き上げた社会的信用を失ないかねません

5. <運転免許>

  酒酔い運転では、行政処分の点数が35点となり運転免許が取消
  さらに運転免許が取れない期間、欠格期間が酒酔い運転のみでも3年続きます


6. <お金>

  罰金の他、損害賠償や遺族補償が請求されお金を失うことになります


「ラジオをお聞きの皆さん、飲酒運転は単なる交通違反ではなく、
重大な事故に直結する凶悪な犯罪であることをけして忘れないでください。
そして飲酒運転は”絶対にしない、絶対にさせない、絶対に許さない”を合言葉に根絶しましょう。


北野原さんは、力強くそう話して下さいました。