いま、多くの小学校は休校になっていますが、
歩行中の交通事故による死傷者は7歳児が最多です。
交通事故総合分析センターのデータでは、
1994年から25年連続で最多を記録。
しかも、歩行中の子どもが重大な交通事故に遭うケースは、
もうすぐやってくる5月が最も多い。
そこで、今週は「新一年生の交通安全」をお伝えしました。
今回、コメントをいただいたのは
一般社団法人 日本自動車研究所 安全研究部 大谷亮さん。
交通心理士でもある方です。
新1年生の交通事故の危険性が高まる理由は、慣れない通学路を1人、
または、友達と歩かなくてはいけないという状況があると大谷さん。
新1年生は慣れない通学路を歩く中で目新しく、興味を惹くものが多く、
飛び出しなど衝動的な行動をしやすいモノがたくさんあることから、
事故の危険性が高まっているのではないかと考えられるといいます。
また、7歳児の場合は危険なモノを危険と感じにくい。
周囲の確認方法を知らない。身長が低いために危険なものが見えにくい。
といったことも、交通事故を高めている理由だと考えているそうです。
小さな子どもが事故に遭わないようにすることを考えると
多くのことを一度に理解することは難しいもの。
そこで、大事なことを要点を絞り、繰り返し教えましょう。
大谷さんによると、信号機、横断歩道のある道路を選んで横断すること、
さらに飛び出さないこと、横断の際は必ず周囲を確認することが大切。
周囲を確認することは、顔だけを周囲に向けるのではなく、
自分に接近してくる車がいないことを知ることが確認することだと、
子どもが理解できるように教えて下さい。
そして、子どもに交通安全について話す時には、
伝え方が大切だと、大谷さんは指摘します。
ポイントは3つ。
具体的なこと
主体的であること
継続的であること
小さい子どもは、まだ抽象的な内容を理解できません。
具体的に何が危険かを伝えることが重要です。
また、何を理解して、何が理解できていないのかを確認するため、
色々なことを問いかけることが良いそうです。
自分で考え、交通安全を自分ごととして捉えられるからです。
例えば、「道路を渡るときに何をする?」と質問して、
信号のある道路を渡る、止まる、周囲を確認するなどの
理解ができているのかを確認するということです。
さらに横断前に止まることや周囲を確認することは、
繰り返し実践しないと、なかなか習得できません。
継続的に色々な場面を想定して教えていくことが必要です。
また、お父さんやお母さんが、
子どもと一緒に通学路を歩いてみることも大切。
それも、ただ歩くだけでは不十分。
危険な場所をチェックして、何が危険なのかを子どもに問いかけ、
子どもが主体的に考えることを、うながしましょう。
また、大谷さんによると1年生の子どもが事故に遭いやすいのは、
子ども自身が安心しはじめる、ということもありますが、
保護者や学校などの見守りが終わる時期にもあたります。
1年生はまだまだ未熟なので保護者の見守りが欠かせないのです。