以前は交通事故死亡者を「状態別」に見ると「自動車乗車中」が最多でした。
しかし、最近では最も多いのは「歩行中」。
中でも65歳以上の高齢者の「歩行中」が目立ちます。
今週は「交通事故と歩行者」について伝えました。
JAF東京支部 事業課 交通環境係 高木 孝さんによると
昨年の交通事故死亡者3215名のうちの36.6%が歩行中で1176名。
そのうち高齢者が7割弱を占め、803名が65歳以上となっています。
高齢者が身近にいる方は、注意を促すようにしましょう。
車・オートバイ・自転車に乗る方は上記を念頭に運転すべきです。
そして、高齢者の方は、まずはご自身が身を守る意識を持って下さい。
それは歩行中に交通事故で亡くなった多くの高齢者に法令違反があるからです。
昨年、歩行中に亡くなった方のうち6割以上に法令違反がありました。
横断歩道ではないところで道路を渡ってしまう「横断違反」。
さらに「信号無視」といったところが主なものです。
ドライバーからすると予想外のところから人が出てくれば
急ブレーキをかけても間に合わないということも生じます。
交通事故に遭った歩行者のデータを見ると
年齢層を問わず、法令違反があったか、なかったかで、
事故の大きさが異なってくることがわかります。
去年、歩行中に亡くなった65歳以上のうち
「違反あり」が6割以上だったと先に記しましたが
死亡者に負傷者も加えると「違反あり」は23%に留まっています。
一方で高齢者以外でも、歩行中死者のうち「違反あり」は85%という数字。
こちらも負傷者も加えれば「違反あり」は24%。
つまり、法律に反する歩行者には命の危険が伴なうのです。
歩行中の方が交通事故に遭わない基本は、
まず、自分自身が法令違反をしないところから。
このことはお子さんや身近な高齢者にも伝えてください。