第239回 駐車場の安全な利用
2019/10/25
クルマで買い物に出かけたショッピングモールの駐車場。
ドライブで遠出をした行楽先の駐車場。
到着した安堵感でホッとしたり。着いてからすることに気が移ったり。
あるいは買い物や遊びを終えたばかりで少し興奮状態にあったり。
ドライバーは駐車場内でのクルマの作動を疎かにしがちかもしれません。
駐車場内で起こる車両事故は全体の3割近くになります
2年前に行われた「東北6県の車両事故実態に関するモニタリング調査」によると
車両事故のうち26.2%が駐車場内で発生していました。
ここで注釈をつけておくと
ショッピングモールの駐車場やコインパーキングなど、
不特定多数のクルマが通行できる駐車場は道路交通法の適用内。
車両事故があった場合「交通事故」となります。
一方で、自宅ガレージや月決めの駐車場など、
特定の人や車両だけが出入りする駐車場は一般的に道路交通法適用外。
車両事故ですが「交通事故」とはなりません。
さらに「盗難」や「落書き」なども、ここには含まれています。
平成28年に 交通事故分析センターが行なった調査では、
「駐車場事故」は交通事故全体の3.8%、約4% でした。
とは言っても、車両事故の1/4が駐車場。
交通事故全体の4%も決して少ない数字ではありません。
「駐車場は気をつけるべき場所」と認識しておくべきでしょう。
さて、本題に戻り
駐車場内ではどんな「車両事故」が多いのか?
小数点以下、四捨五入で紹介すると
施設との接触 (壁・フェンス・街灯など) 30%
車両同士 55%
そして、駐車場内の「交通事故」は、
公益財団法人 交通事故総合分析センターによると年間およそ6千件。
その内訳は2016年のデーターを見ると
車両同士 66%
人対車両 28%
車両単独 6%
駐車場内は基本的に徐行しているといっても
死亡者が発生する事故も起きています。
<ケース1>
今年3月、神奈川県藤沢市のコンビニエンスストア駐車場で、
49歳の男性が軽乗用車にひかれ、頭などを強く打ち間もなく死亡。
<ケース2>
今年5月、千葉県市原市の公園駐車場から発進したクルマが
道路を挟んで向かい側にある公園に突っ込み、園児をかばった保育士が怪我。
駐車場といえども、
重大な事故が起こることを覚えておきましょう。
その予防策を考えてみましょう。
【慌てない】
駐車スペースを確保したい、駐車スペースに早く停めたい。
はやる気持ちはわかりますが、事故を起こせば、それどころではなくなります。
【徐行する】
ザベススピードを出さず、しっかりと徐行する。
心がけるのは時速10km以下の運転です。
【目と耳で安全を確認】
慣れない駐車場だとミラー越しの確認では死角に人がいるかもしれません。
自分の目で、耳で、近くに危険がないか感知するようにしましょう。
【ブレーキとアクセルに踏み間違いに気をつける】
あまりスピードが出せない環境とはいえども
ブレーキとアクセルの踏み間違いは大きな事故になりかねません。
駐車場の危険と、事故を起こさないための対策。
わかっていただけたでしょうか。
油断と焦りと慢心から事故は起こります。
充分に気をつけて下さい。