さまざまな分野への活用が進むAI。
交通の分野も例外ではありません。
データの認識・解析を人間よりも早く、正確に、疲れずに行えるAI。
うまく取り入れれば、交通事故の対策にも有効でしょう。
実際にもうすぐ、AIを活用して、
交差点の危険をあぶり出そうという実証実験がスタートします。
舞台は石川県 金沢市。
実証実験を主導するのが金沢工業大学 AIラボ所長 中沢実教授です。
専門はセンサーネットワーク技術、画像処理技術、ロボット技術などの研究。
その応用として、地元企業と連携して交差点の交通量計測を画像認識によってできないか?
金沢市からの委託を受けて障害者就労施設ではたら障害者が、
どのような活動をしているかを音で把握することはできないか?
といったことに取り組んできた方です。
そして、新たなに金沢市から依頼を受けたのが今回の実証実験です。
金沢市は戦争で被害を受けずに昔からの道が結構残っていて形状が複雑。
画像と音を使用し、交差点の状態を比較状態を含めて、
見える化として実証実験で進めていこうというのです。
映像と音で交差点を見える化するとはどういうことか。
交差点での交通には車はもちろん人、バイク、自転車などが関わっています。
録画をすれば読み取れるシーンもたくさんありますが、
映像だけではわからないことも少なからずあります。
映像に加えて音があることで、例えばブレーキの音が聞こえた、
人が驚きの声を上げたなど、交通状態の理解はさらに深まります。
そうした状況を収集していき、事故が起きなかったいわゆる「ヒヤリハット」も
すべて把握して、交通事故予防に役立てたいというのが今回のプロジェクトの目的です。
まずは、来月から2ヶ月間、
金沢市内の交差点で「音声」と「映像」のデータ採取と
AIによる解析テストをして、検証と修正を行います。
その上で来年1月から実証実験に入るという流れ。
得られた結果は市民に情報として周知することを目指します。
災害時のハザードマップは都道府県、区市町村などが発信していますが、
交通事故の危険が潜む箇所の情報といったものを得られる機会はほぼありません。
金沢市はオープンデーターに積極的に取り組んでいるので
得られた結果を市民への周知に役立てたいと考えています。
AIによって道路上の危険を可視化していく試み。
交通事故対策の有効な方法になることが期待されます。