第215回 2019年春の全国交通安全運動 前編

2019/05/10

今年も「春の全国交通安全運動」がスタートします。
明日5月11日(土)から20日(月)までの10日間。

今回と次回は、その大切なポイントを追跡します。
話を伺ったのは警察庁 交通局 交通企画課 植垣 浩太朗さん。
春の交通安全運動の全国重点は4つあります。


1)子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止

2)自転車の安全利用の推進

3)すべての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

4)飲酒運転の根絶



前半の今回は1)と2)について。

1)子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止

小学生では歩行中が最も多くて過去5年間では全体の約6割。
特に1年生の歩行中の死者・重傷者数は6年生の約3.6倍。
非常に多くなっています。

事故に遭う時期は5月、特に中・下旬が多く、
入学したてに実施されていた集団下校が終わり、学校生活にも慣れ始めて、
放課後の行動が活発になることが影響している可能性がありますと植垣さん。

時間帯や行動目的を見ると下校中が約20%、
友達の家や習い事の行き帰りなどのプライベートが約70%。

事故に遭った小学生の3分の2が、
交通ルールを守っていなかったということが確認されています。
道路を渡る時には、必ず立ち止まる、
右や左から車が来ないかをよく見るなどのことを、
子どもにはしっかり教えるようにしましょう。

一方でドライバーは、
子供は思わぬところから道路へ飛び出す、
遊びに夢中だと車に気付かないことがある、
といったことを頭にとめておきましょう。

また、最も歩行中の死亡事故が多い
高齢者は車の速度や距離を誤りやすいもの。
歩行者を見かけたらスピードを緩める、一時停止をするなど、
歩行者の動きに対応できるよう心がけて下さい。

横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合は車を停止させ、
歩行者の通行を妨げないことが義務付けられています。
信号機のない横断歩道では歩行者の有無をしっかり確認して下さい。


2)自転車の安全利用の推進

そして、「自転車の運転」。
自動車に対しては事故の被害者になり、
歩行者に対しては加害者にもなります。

自転車に乗って亡くなった方の7割以上に安全確認をしなかった、
一時停止を怠ったなどの法令違反が認められました。

また、歩行者との事故の約4割は歩道で起きています。
自転車は標識で認められている場合以外は車道走行が原則。
歩行者には十分注意をして走りましょう。

自転車事故は8割弱が自動車との衝突。
その半数以上が出会い頭衝突となっているので
自転車の利用者が増える今、ドライバーも一層の注意を心がけましょう。

4月から中学や高校に進学して
自転車で通学するようになった人も多いでしょう。

自転車と歩行者が衝突して歩行者が重傷を負った、
あるいは亡くなった事故のうち、自転車に乗っていた方の約4割が10代。
自転車は車両。交通ルールを守り、安全運転を心がけてください。

また、万一の場合に備えて必ずヘルメットを着用しましょう。
そして、できるだけ損害賠償責任保険等に加入しましょう。