第205回 高速道路の最高速度 引き上げ試験

2019/02/28

日本では高速道路の本線車道を走る場合
速度指定がない区間以外では普通乗用車の最高速度は時速100キロ。

2017年の終わりから この最高速度の引き上げ試験が行われていますが
明日3月1日からは2つの高速道路の一部区間で時速120キロになります。

1つは新東名高速道路。
新静岡IC〜森掛川IC間の上下およそ50km。





もう1つは東北道。
花巻南IC〜盛岡南IC間の上下およそ27km。





気をつけていただきたいのが
最高速度120キロになる対象車両は・・・

● 大・中型乗用自動車 
● 中型貨物自動車 
● 準中型自動車
● 普通自動車 
● 125?を超える自動二輪車


大型トラックやトレーラーなどの最高速度は時速80キロ。
120キロで走っていい区間は上記の一部区間だけです。
お間違えなく。

明日から最高速度120キロに引き上げられる区間は
1年間、最高速度100キロから110キロへの引き上げが試行されてきました。

その結果を警察庁がまとめたところ
交通量が少ない状況では・・・

<死亡事故>
  
 新東名
 試行開始前1年間 0件 → 試行開始後1年間 0件

 東北道
 試行開始前1年間 1件  → 試行開始後1年間 0件


<けが人が出た事故>
 
 新東名 
 試行開始前1年間 14件 → 試行開始後1年間 8件

 東北道
 試行開始前1年間 3件 → 試行開始後1年間 2件


また、追い越し車線の平均速度は試行前とほぼ変化なし。
静岡県警察・岩手県警察がパトロールを強化したそうなので
その影響も考えられますが。

これら検証結果から交通安全に支障がないという判断で、
さらに110キロからさらに10キロ引き上げされて、
最高時速120キロ試験を行うことになったのです。

また、当該区間の利用者へのアンケートも行われました。
対象者は1,600人。

そのうち、およそ9割が最高速度の引き上げを認識して走り、
8割が試行前・・・ つまり最高速度100キロの時と比べて、
速さに不安を感じなかったと答えています。
        
そして「他の路線・区間についても規制速度の引き上げをすべき」と
答えた人が6割を超えました。

最高速度120キロの試行期間は、平均速度の上昇率や
交通事故の発生状況などの分析を行うために最低1年。

安全性を確認できれば他路線・区間への拡大が検討されます。
その対象になるのは、カーブや勾配が緩やかで見通しが良いなど、
条件が整った「高規格」とされる高速道路。
2区間を含めて北海道から九州まで13路線19区間です。

世界各国と比べると日本の「最高速度100キロ」はかなり低い設定。
それなのに死亡事故発生数は比較的多いという指摘もあります。
理由は他国に比べて制限速度をオーバーしてもスピード違反にならない
「許容範囲」が大きすぎるからだとも言われます。

どうでしょう?
高速道路では20キロオーバーまでは大丈夫とスピードを出していませんか?

「最高速度が上がるといい」と思うなら速度規制に従った運転が求められます。
そのことは十分、留意して下さい。

そして、最高速度が120キロになったからといって、
怖さを感じるドライバーはギリギリまで出す必要はありません。