今回のテーマは「徐行」。
国語辞典で調べてみると その意味はこうあります。
『車や自転車などが速力を落としてゆっくり進むこと』。
多くの方は「それは説明されなくてもわかるよ」と思うでしょう。
では 車を運転する方は徐行すべき場所できちんとしていますか?
東京 麹町 みらい総合法律事務所 吉田太郎弁護士によると
徐行は道路交通法2条1項20号で定められていること。
車両などが直ちに停止することができる速度で進むことと定められています。
この「直ちに停止することができるような速度」は
判例では「時速10 km/h 以下で」と述べたものもありますが
具体的なスピードが決められているわけではありません。
車の種類や車の荷物の積載量 道路状況などによって
「直ちに停止することができるような速度」は変わるからです。
時速10 km/h 未満を基準にしつつ
具体的な状況の元で判断していくということになります。
「徐行」の道路標識は逆三角形に縁が赤く、白地に青く「徐行」の文字。
道路にペイントされている場合もあります。
吉田弁護士によると 他に「徐行」義務のある場面は
▶︎ 道路の曲がり角付近 / 上り坂の頂上付近 / 勾配の急な下り坂を通行する時
▶︎ 左右の見通しがきかない交差点に入ろうとする時
交差点内で左右の見通しがきかない部分を通行しようとする時
▶︎ 交差点に入る段階で左右の見通しがきかない時
交差点の中に入って左右の見通しがきかない時
▶︎ 横断歩道の前
車が横断歩道に接近する場合には
横断しようという歩行者や自転車ないことが明らかな場合を除いては
横断歩道の直前で停止することができる様な速度で進行しなければいけない
「徐行」義務があるのは車やオートバイだけではありません。
自転車の運転手も「徐行」の義務を負っています。
時に歩道の中央を飛ばして走る自転車を見かけますが やってはいけない行為。
自転車が本来走るべき道は車道。
場合によっては歩道を走ることもできますが、
中央から車道よりの部分を徐行しなければいけません。
徐行義務違反の罰則もあります。
「3ヶ月以下の懲役 または 5万円以下の罰金」。
「徐行」を求めらるのは 交通安全上 そこが危険な場面だから。
「自分は大丈夫」と根拠なく思い 徐行義務を怠った運転は危険です。
交通事故を起こせば、必ずやそれまでの事を後悔するはず。
「徐行」すべきところでは すぐに止まれるように車を走らせましょう。