第132回 高校生と自転車 その2

2017/10/05

8月31日は「高校生と自転車の事故」がテーマでした。
「クルマ 対 自転車」の事故被害者で多いのは高校生。
新学期を前に注意を促したかったからです。

そして 実は「高校生と自転車」には もう1つの側面があります。
歩行者に対する自転車事故の加害者も高校生が圧倒的に多いのです。

今回は公益財団法人 交通事故総合分析センター
研究部 主任研究員の山口朗さんにお話を伺い
自転車が加害者となる交通事故を追跡しました。

自転車の関わる事故数は2016年で約9万人の負傷者。
過去を遡ると2001年〜2004年ぐらいまでは18万人。
10年ぐらいで半分に減りました。

そのうち自転車対歩行者の事故。
多くは歩行者側が被害側で自転車側が加害者側ですが
2006年〜2015年の歩行者の死傷者数は毎年2500人前後。
自転車対歩行者の交通事故は減少傾向にありません。

2500人の加害者になった自転車運転手を見てみると
11〜20歳までが全体の3割を占め最も多い年齢層。
そこを学齢別に見ると高校生が突出しているのです。
ピークは高校1年生。2年生、3年生となるにつれ減ってはいます。
でも 他の学齢と比較すると 高校3年間が飛び抜けているのです。

衝突地点の8割が交差点以外。
内訳は多い順に「歩道」「非分離道路」「車道など」。
自転車に対して対面で歩いてきた歩行者に
あるいは同方向に歩いている歩行者に
自転車がぶつかったというのが半数を占めています。

被害者になっている層で最も多いのが高齢者。
半数は60歳以上。この年齢の方たちは怪我をしやすいもの。
大きな怪我は命の危険に繋がりかねません。

自転車通学の高校生・中学生の皆さん 
くれぐれも気をつけて自転車の運転をするようにしましょう。
友だちとふざけながら スマホで音楽に没頭しながらの運転は危険です。
 
子どもが自転車通学しているお父さん・お母さん
しっかりと注意を促がすようにしましょう。

もちろん他の世代も自転車事故を起こしています。
歩行者に対して自転車は交通弱者ではありません。
そのことを心にとめて自転車に乗りましょう。