第123回 真夏の車内に注意

2017/08/03

毎年夏になると高温の車内で子供が死亡するというニュースがあります。
残念ながらこの夏も例外ではなく すでに何件も耳にします。
そこで今週は「真夏の車内に注意」をお送りしました。

【7月24日】

奈良市の駐車場で停車中の車内から意識不明で発見された9歳の男の子が
熱中症とみられる症状で亡くなりました。
病院に診察に行く母親が一緒に来るよう促しましたが
男の子は車内で食事をするので残ると言ったため
母親は車の窓を閉め エンジンを切り
「後から鍵を閉めて来るように」と鍵を渡しました。
男の子は1時間半後 車に戻った母親にぐったりした姿で発見されました。

JAFが去年8月にキーがロックされてしまったことを理由に出動して
子供やペットが車内に取り残された件数は約310件。
こうしたことが悲劇に繋がりかねないので十分に気をつけましょう。

JAFは『真夏の車内温度 – 短時間で熱中症の危険!』というテストをしています。
2012年8月22日と23日。埼玉県 戸田市 彩湖・道満グリーンパーク駐車場。
天候 晴れ。気温35度。正午から4時間。
駐車条件が異なるミニバンを5台用意して炎天下の室内温度を比較しました。

1) 何も対策をしていない黒のミニバン
2) 何も対策をしていない白のミニバン
3) サンシェード装着
4) 3cm窓が開いている
5) エアコンが作動している

直前までは5台とも全て室内温度は25度にしておきました。
1台目の黒く対策なしの車が車内最高温度が57℃
2台目の白く対策をしていない車が 52℃
3台目、サンシェードを装着していた車が50℃
4台目、3cmほど窓を開けた状態の車が45℃
5台目のエンジンをかけたままエアコンを作動させていた車は27℃

テスト車5台のうち「エアコン作動」以外は全て高温になります。
最高温度が「窓空き3cm」が45度。
「サンシェード装着」「対策なしの白・黒」で50度以上。

JAFのかつてのアンケート調査によると
3割近い人が「子供を残したまま車を離れたことがある」と回答しているそうです。
上記の室内温度を見れば一目瞭然。
危険極まりないので絶対にやめましょう。

そして 熱中症については熱中症指数という数値があります。
車内のエアコンを停めてからの時間と熱中症指数の相関関係です。
子供が乗った状態で何も対策もせずにエンジンを切ると熱中症指数はどう推移するか?

この熱中症指数は5段階。
「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」。
エアコンが25℃の状態でエンジンを切ってスタートさせているのですが
エアコン停止後 約5分で注意から警戒レベルのところまで達しています。
10分後には もう厳重警戒の位置に入っていて
開始15分後には危険のレベルまで推移しています。
本当に短時間であっても一瞬で熱中症指数がドンドン上がって
危険な数値までなってしまうということが言えます。

真夏の車内と子供の安全に十分気をつけて下さい。