第108回 初心運転者が起こしやすい事故

2017/04/20

新年度から運転免許証を手にして車の運転を始めた!という方が、
全国にはたくさんいることでしょう。
      
また、生活環境が変わってペーパードライバー返上。
車を運転するようになった! という方もいるでしょう。

免許をとって1年未満の初心運転者、それに準ずる運転者は、
運転に慣れたドライバー以上に、安全な運転に注意する必要があります。

今回は日本交通事故鑑識研究所 代表取締役の大慈彌拓也さんにお話を伺い
「初心運転者の注意事項」を追跡しました。

大慈彌さんによると、最近は免許をとる人が減少。
初心運転者も減って全運転者との事故発生比率の差がなくなってきているとのこと。

しかし、過去のデータを見ると、例えば平成14年の運転者10万人あたりの事故件数の比較では、
初心運転者の事故発生率は全運転者との比較で約1.7 倍 。
運転に慣れない人は、気をつけなければいけないことが、わかります。

それでは、どんな環境下で初心運転者が交通事故を起こしているのか?
気をつけてほしいのが「夜間」「カーブ」。

平成14年のデータよると、
初心運転者の昼夜別の事故発生率と全運転者の昼夜別の事故発生率を比較すると
初心運転者の夜間事故発生率は全運転者の約1.4倍。 

初心運転者の道路形状別事故件数と
全運転者の道路形状別事故件数を比較すると
初心運転者のカーブでの事故数は全運転者の約1.6倍となっています。

他にも全運転者と比較して初心運転者の事故原因で目立つのが・・・

    最高速度違反 約1.9倍

    運転操作不適 約1.5倍

    脇見運転   約1.2倍

これらの数字の元にあるのはドライバーの経験値の低さ。
経験を積んでいないので慌ててしまう。
しかも、初心者ドライバーは初心者なりには慣れてくる。
そこに「漫然」という部分が出てきてしまう。
そこがまた事故を誘引するというケースが多いのではないか。
大慈彌さんは指摘します。

そして、慌てないために大切なのが運転する車について把握すること。
例えばハザードを点けようと思っても、どこにハザードスイッチがあるかわからない。
ワイパーの動かし方がわからない。
必死になっているうちに脇見運転となって事故を起こしてしまう。
そんなケースが少なからずあるそうです。

そして、たとえ道を間違えたとしても慌てる必要はありません。
慌ててパニックになることで交通事故の扉が開かれてしまいます。
心に余裕を持つことが、交通事故を避ける第一歩です。