第93回 2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー

2017/01/05

2017年の第1週は昨年と同じように「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を追跡しました。
1980年にスタートした日本・カー・オブ・ザ・イヤー。今年で37回目を数えます。

日本カー・オブ・ザ・イヤーの対象となるのは、
前年11月1日から10月31日までに日本で発表された乗用車。
予め10台が選考対象に絞られて60名を上限とした選考委員の投票で決まります。
 
各選考委員には持ち点は25点。
それを10台のうち5つのクルマに配点しますが、
最も高く評価する1台には10点をつけることになっています。

ちょっとユニークなのは、選考委員はそれぞれ、自分の考えで投票すること。
クルマに乗った感じで選ぶ人あり、デザインで決める人あり、新技術を評価する人あり、
いろんな評価の仕方が総合ポイントとなって表れます。

そんな日本・カー・オブ・ザ・イヤーの第37回        

第37回の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは、
420点を獲得したスバル インプレッサスポーツ/G4。
自動車評論家で選考委員の1人、こもだきよしさんによると・・・

インプレッサスポーツ/G4には、ほとんどの人が高い点数を入れたとのこと。
色んな新技術がたくさん入り、衝突安全もかなり評価されています。
例えばいま指摘されているのが交通事故で亡くなる人の中に歩行者が多いこと。
インプレッサスポーツ/G4は国産車で初めて、
交通事故時に歩行者がボンネットに頭をぶつけるのを防ぐため、
ボンネットのフロントウィンド近くに歩行者用エアバックをつけました。
この機能を比較的安い車に付けたことが評価され、スバル独特の走る楽しさも備わっている。
そして、スバルは今年創業100周年。
富士重工業株式会社からSUBARUに社名を変える年。
記念すべき授賞となりました。

そして「2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を
インプレッサスポーツ/G4と競ったのがトヨタ プリウス。

こもださんによるとトヨタも新しいプラットフォーム、
トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーを開発しました。
その第一弾としてつくったのが4代目となったプリウス。
ハイブリッド車の普及に大きな貢献を果たしたプリウスは、
トヨタが力を入れて燃費を良くし、CO2排出削減を目指したクルマ。
それが進化を重ね、新しいプラットフォームに新たなシステムを乗せ、
凄い車として熟成された車に仕上がってるといいます。
トヨタが作り慣れてきたということもあり、かなりの完成度。
最後まで、プリウスがカーオブサイヤーが1位になるか、
インプレッサスポーツ/G4が1位になるか、分からなかったとのこと。
最終的には49点差でインプレッサスポーツ/G4が授賞しましたが、
横綱同士の良い勝負だったと感じたというお話でした。

こもださんのような専門家の話を聞いていると、
ここへきて車の性能は格段に向上して、
環境や安全といった社会のニーズに応えるようになっていることを感じます。
これからのクルマの進化も楽しみ。

今年の暮れには、どんなクルマが、
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するでしょうか。