第90回 気をつけて! 実はそれって交通違反 episode 1
2016/12/15
車の運転には多くの法律・法令に従う義務があります。
ルールを破れば罰則が待っているので、みなさん気をつけているでしょう。
でも、意外と知らない、落と穴のような交通ルールも多いもの。
今週からの3回にわたって
『気をつけて! 実はそれって交通違反』をお送りします。
監修とコメントは東京 麹町「みらい総合法律事務所」吉田太郎 弁護士です。
もうすぐ年末、道路が混雑する時期。
先を急ぎたくて、高速道路でも一般道でも追越車線を走り続ける車ありますよね。
でも、追越車線を走り続けることは交通違反。
1)追越車線を走り続けは交通違反
【吉田弁護士の解説】
道路交通法20条で道路の左端から数えて1番左側の車線を走ることが規定されています。
3車線以上ある場合には1番右の車道以外の車道を通行することが規定されています。
ですから、追い越し車線をずっと走ることは違反するという事になってしまいます。
もちろん1番右側の追い越し車線を使ってはいけないということではありません。
追い越しする時、右折する時、緊急自動車に道を譲る時、必要な場合には使えます。
ただし、ずっと追い越し車線を走り続けるということは認められていません。
この規則の違反には5万円以下の罰金が定められています。
次の「それって交通違反」。
冬の行楽シーズン。
仲間と温泉やウィンタースポーツに車で出かける時、
欠かせないアイテムの1つが 音楽 かもしれません。
でも、あまりに大きな音量でかけてはいけません。
1)爆音カーオーディオは交通違反
【吉田弁護士の解説】
道路交通法に直接の定めは無いのですが、道路交通法71条の6号には、
各都道府県の公安委員会が道路における危険を防止し、
交通の安全を図るために必要と認めたものについては、
規則で規制出来ることが定められています。
これに則り、例えば東京都なら東京都道路交通規則で、
高音でカーラジオなどを聴き、またはイヤフォンなどを使用して、
安全な運転に必要な交通に関する音、または声が聞こえないような状態で、
車両を運転してはいけないと定められています。
これはカーラジオという表現ですが、広くカーステレをを指すと解されて、
大阪府では「カーオーディオ、ヘッドフォンステレオなどを使用して」と定められていて、
カーオーディオという事が例示されています。
ここで重要なのは、マナー上の問題として周りの人に迷惑をかけないという事もあるのですが、
法律で特に注意を促しているのは、大音量を上げる事によって、
例えば、緊急自動車のサイレンであるとか、周りの音が聞こえない事によって、
安全な運転が出来なくなってしまうかもしれない、
そういう危険を防ぐために音量は適切な所まで下げましょうという定めになっているのです。
運転時に情報を得るのは視覚と聴覚。
その耳を閉ざしてはいけないと注意を促しているのです。
1)追越車線の走り続けはNG
2)爆音カーオーディオはNG
覚えておいてください。