第75回 子供が交通事故に遭うケース 前編
2016/09/01
多くの地域で、今日は2学期の始業式。
夏休みだった子供たちが学校に戻ります。
登下校の時間に通学路の近辺でクルマに乗っている方、
放課後の子供たちの遊び場近くをクルマで通る方は注意しましょう。
子どもの交通人身事故 発生件数は、
他の交通事故と同じように減少傾向にあります。
警視庁は『小学生の交通人身事故発生状況』を発表しています。
東京を例に見てみると・・・
10年前の平成18年。
小学生が遭遇した交通人身事故の数は 3,043 件でした。
その数は、毎年減少が続いて、去年 平成27年 は 1,001 件。
平成18年を指数 100とすると33になりました。
ところが、亡くなった子供の数は事故の減少と比例していません。
平成18年は2人でしたが、それより事故数が4割減った平成24年は6人 、
去年平成27年にも3人います。
事故件数が減っているからといって安全運転を怠たってはいけない。
子供に対する交通安全教育をないがしろにしてはいけないということです。
ちなみに日本では1歳から14歳の子供の死亡原因では、
不慮の事故」が上位を占めているのですが、
5歳〜9歳/10歳〜14歳/ 2つの年齢別カテゴリーで
「不慮の事故」のうち最も多いのが「交通事故」です。
月別の事故数を見てみると・・・
11月から2月にかけて事故件数は少なく推移しています。
寒いので放課後に外であまり遊ばないことが理由でしょうか。
2月は 61件 ですが、3月で101件と急増。
4月には89件と少し減りますが、5月・6月は100件を超えて、
途中で夏休みに入る7月は73件、8月は12ヶ月中最も少ない 49件と減り、
学校が始まるこの9月は再び増えてしまい 78件 。
続く10月が月別で最も多い 112件となっています。
つまり9月は夏休みで減った事故数を持続させるためにも、
車を運転する側も、子供たちも気を引き締めるタイミングです。
次に小学生の学年別発生状況を見てみましょう。
多い順に並べると小3 ➡ 小1 ➡ 小4 ➡ 小2 ➡ 小5 ➡ 小6。
最も事故件数が多い小3が210件。
事故件数が2番目に少ない小5が145件 。
いちばん少ない小6は113件となっています。
高学年になってくると「飛び出し」や「信号無視」に気をつけるなど
成長して、安全への意識も高まってきているのかもしれません。
そういうことを子供の「意識」を育むことが大切です。
今の小学生の交通人身事故数は、
2つの「状態」で起こったものを足したものです。
1つは「自転車乗車中」。もう1つは「歩行中」。
小1・小2はこの2つのうち「歩行中」の割合のほうが多いのです。
小1は ➡ 「歩行中」 141件 「自転車乗車中」 49件
小2は ➡ 「歩行中」 96件 「自転車乗車中」 71件
ところが・・・
小3は ➡ 「歩行中」 81件 「自転車乗車中」 129件
「自転車乗車中」が「歩行中」を逆転。
小4から学年が上がるにつれ「自転車乗車中」の割合が「歩行中」より高まります
一方で、平成27年の「歩行中」の交通事故 死傷者数を年齢別に見ると
圧倒的に多いのが 7歳 。5歳区切りで最も多いのが5歳〜9歳で4,853人。
10歳〜14歳になると2,155人 とずいぶん減ります。
小学校低学年の子供は、ひとりである程度しっかり歩けるようになった分、
きちんと注意を払わないで行動してしまうのでしょう。
特に歩行中についての注意を、
小学校高学年の子供は、体が成長して、
ビュンビュン自転車を飛ばすのが楽しくて仕方がない時期でしょう。
特に自転車に乗るときの注意を、大人が促すことが大切です。
ハンドルを握る方は、歩いている低学年の小学生、
自転車に乗る高学年の小学生に充分注意してください!