第69回 危ないクルマのローカルルール(前編)
2016/07/21
いよいよ夏休み!
旅行の予定を組んでいる方が多いことでしょう。
慣れない土地でクルマを運転することもあるかもしれません。
そんな時には充分に注意をしてください。
もしかすると皆さんが住んでいる地域とは
運転マナーがちょっと違ったりするかもしれないからです。
日本全国を見渡すといくつの地域で「ローカルルール」とされている
よろしくない運転マナーのあることが当該地域で指摘されています。
今週と来週はいくつかピックアップします。
前編の今日とりあげたのは・・・
「伊予の早曲がり」
「名古屋走り」
「伊予の早曲がり」は愛媛県庁 県民環境部
防災局 消防防災安全課 山崎まこと さんに
「名古屋走り」は名古屋市にある教習所
庄内橋自動車学校 永原副校長に話を伺いました。
「伊予の早曲がり」とは言葉通り
一般の地域ではないタイミングで右折をしてくる行為です。
対向車線を直線している時にヒュッと対向車が目の前を横切って駐車場に入る。
交差点を直進しようとした時に前を走るクルマとの間隔がそれほどないにも関わらず
右折待ちをしていたクルマがサッと右に曲がるとか。
山崎さんの話では一説によるとこれは愛媛県民の
他人に対する優しさや思いやりからきているとのこと。
今のように道路状況が良くなかった時代、車道はたいてい一車線。
右折車が待てば待つほど、その後ろに渋滞ができます。
そこで、対向車が「どうぞ曲がって下さい」と先を促すことが多かったようです。
それが次第に譲られる側が譲ってもらうことが当たり前となり
悪い運転マナーになってしまったのかもしれないとか。
ちょっと残念な気がします。
でも「伊予の早曲がり」は愛媛県民が認識していること。
警察の取り締まり、県の呼びかけもあり、ずいぶん減ってきているようです。
そして「名古屋走り」。
名古屋市民の永原さんが感じている悪しき運転マナーの主なもの。
1つは行けるところまで右折車線を進みギリギリのところで直線車線に移る行為。
車線が多いのが名古屋の道路の特徴。4車線はふつうで多いところでは6車線。
そこを縦横無尽にスイスイと渡っていってしまうのです。
そこに加えてウィンカーで合図を出さないという傾向もあるとか。
出したとしても他のクルマに知らせるためではなく
法規上、出さなければいけないので「出せばいいんだろ」という感じで出す。
それではウィンカーを出す意味がありません。
さらに道路環境が良く、直線の道が長いため、できるだけ信号を青のまま走っていきたい。
その気持ちからスピードを出し過ぎになるという行為。
いずれもふつうに運転している人が巻き込まれたとすれば
とても危ない運転行為ということになります。
実は「名古屋走り」に含められる行為は多岐に渡ります。
「名古屋走り」という言われ方を見聞きすると
寂しい気持ちになってしまうという永原さんは
「言い訳かもしれませんが」ということで1つの持論を聞かせて下さいました。
名古屋は大都市。今はインターネット社会。
名古屋を訪れてハンドルを握った人たちが感じたことを
SNSなどで発信できるようになったことが影響しているのではないかということです。
確かに誰か1人の運転マナーの悪さが地域特性にとられてしまっては残念なことです。
ですからどこにいても共同社会のためにも運転マナーには気をつけたいものですし
今回の企画で取り上げるマナーはその地域だけにあるものではなく
どこにでもあるものということを認識してほしいと思います。