第66回 クルマの安全性に対する考え方(前編)

2016/06/30

クルマを持っている方、
そのクルマを選んだ時の大きなポイントは何でしたか?

これからクルマを買おうと思っている方、
何を重視して選ぼうと思っていますか?

今週と来週は2週にわたって
『クルマの安全性に対する考え方』を追跡します。

コメントはクルマの安全性に対する考え方について
警鐘を鳴らすモータージャーナリスト 岡崎五郎さん。
車が生み出す一番のネガティブな部分は交通事故。
日本では年間1万人が亡くなっていたという状況があったにも関わらず、
なぜ皆、安全性に関心を向けないのだろうという疑問を持っていたといいます。
そこで執筆する文章で安全性への意識について指摘をしてきた方です。

去年およそ1万人を対象者に行われた
「航空会社の利用」についてのアンケート調査結果を見ると
『航空会社を選ぶ際、どんな点を重視しますか』という質問に対して
最も多かった回答は「信頼できる」かどうか、
次に多かったのが「安全性が高い」かどうか。

そして、2013年に行われたた有効回答数1,000人のクルマについてのアンケート調査で、
『車を購入する際、一番重視するポイントはどこですか?』という質問に対しての回答は
5位 車種  4位 メーカー  3位 燃費   2位 外装デザイン  1位 価格 でした。

なぜ飛行機に乗る時には安全を第一に選ぶのに
クルマを選ぶ時にはそうした思考がなくなってしまうのでしょうか。
岡崎さんの見解ではクルマが日常生活に深く根付いているため。
危険なものだという想像力が働かないのではないかということ。

実際は1t、1.5tという重量の車が高速道路を100kmで走れば凄いエネルギーです。
アクセルとブレーキを踏み間違えた先に人がいたら、
何人もを一瞬で怪我させる、あるいは死に至らしめてしまうものでもあるわけです。
でも、あまりにも日常的なモノ過ぎて、そういう想像が出来にくいのではないかとのこと。
飛行機なら、非日常なモノなので、落ちたらヤダなと思う。
でも車は事故を起こしたら・・・という事を想像して運転してる人はほとんどいない。
そこに落とし穴があるのではないかということでした。
クルマは危ないものなのだということを心に刻むようにしてください。

ここ最近、以前よりはクルマの安全性に対する意識は高まってきました。
2000年の交通事故死者は9,073人。去年2015年は4,117人。半数以下になっています。
もっと減らすためクルマを買う時に持つべき姿勢は選択の基準に安全性を絶対に入れること。

自動車事故対策機構が自動車のアセスメントをやっていて、
HPにクラッシュテストの結果を細かく出しています。
それで上位に来る車を選ぶ。
新車を買う場合は安全性についてのオプションは選ぶようにする。
かっこよさのために安全装備を外すのではなく
安全装備を第一にして安全についてお金を惜しまない。
万が一の時に事故を避けられるなら高い買い物ではありません。
クルマの安全も飛行機に乗る時と同様、
コストがかかるという意識を持つべきでしょう。

クルマを買う時のオプションとして、いま岡崎五郎さんが強く薦めるのが
「サイドエアバッグ」と「カーテンシールドエアバッグ」。

横から突っ込まれて来た時に乗っている人を守ってくれるこの2つは、
義務化されていないモノだからと付けていない車が多いのが現状。
トヨタが良いモノなので全車標準装備を打ち出しましたが、
ユーザーこれにお金を払ってくれないとオプションにしてしまいました。
しかし、岡崎さんによるとクラッシュ映像を見れば、
付いてなきゃダメでしょ!と思う位、素晴らしい機能。
ぜひとも付けてほしいという話でした。

さらに今、流行っている自動ブレーキは、
追突事故を起こしてしまい、相手の車を修理しなければいけない、
自分の車を修理しなければいけないとなればお金がかかります。
もっと悪い事態の人身事故を防ぐ為にも人や自転車を検知出来る
優れた衝突防止自動ブレーキも出てきているので付けてほしいとのことでした。

今回の「なるほど!交通安全」は、交通安全のために・・・
『クルマの運転に「危険」の想像力を働かせる』!
『新しい安全性能を取り入れることを考慮に入れる』!ことを心にとめて下さい。
来週はこの続き『クルマの安全に対する考え方』の後編です。