日本人は「謙虚な国民」だと言われます。
本当にそうかというところはさておき・・・
誰かに道を譲ってもらった時、ありがとうの思いとともに、
待たせてすぎてはいけないと急ぐ人が多いかもしれません。
それは人間関係としては美しいこと。
でも、交通の場においては交通事故の原因になることも。
それは「サンキュー事故」と呼ばれます。
「サンキュー事故」? 聴いたことないなと思った方。
実はずいぶん前からこのネーミングの事故はあったようです。
全国で企業相手の交通安全講習を行っている、
株式会社ムジコクリエイト 東京営業所 所長 野藤智さんによると
典型的なサンキュー事故のケースは2つあります。
? 本線で停車して右折待ちをしている時に対向車が道を譲ってくれた
そこで「ありがとう」と急いで右折をしようとした時に、
譲ってくれた車の左側横をすり抜けて来た二輪車や、
他にも車線がある時には停車した車の横の車線を走ってきた車とぶつかってしまうケース
? 駐車場から自分が本線に右折で出ようとしている時に
自分から向かって右側の車が道を譲ってくれた
そこで、ありがとうと急いで右折を開始したところ、
自分が入ろうとしている車線の左側から進行してくる
進行してくる車を見落として衝突してしまうケース
このサンキュー事故を起こしてしまうのはドライバーの焦りと過信。
「譲られているから早く行かなくては」という急ぎの心理が1つ。
道を譲ってもらって気は使うかもしれません。
それでも確実に車を停めて見るところは注意して見る。
もし、見えないのであれば、車をゆっくりと進める。
その間、対向車を待たせるのは気まずいかもしれませんが、
事故を起こしてしまうよりはいいでしょう。
さらに譲られたので安全だろうという過信をしないことが1つ。
相手は道を譲ってくれただけで「背後が安全ですからどうぞ」と
言っているわけではないのです。
ありがとうの気持ちをもちながらも
自分でしっかり安全確認、過信はしない。
その心がけで「サンキュー事故」は防ぐことができます。