第54回 春の全国交通安全運動 前編

2016/04/07

今年も「春の全国交通安全運動」の期間がやってきました。
平成28年は4月6日 水曜日 から15日 金曜日。
そこで、今週と来週は、その大切なポイントについて。
コメントは警察庁 交通局 交通企画課 西村和市さん でした。

全国交通安全運動では運動の基本と重点を定めています。
基本は「子供と高齢者の交通事故防止」。
重点は3点。

? 自転車の安全利用の推進、
? 後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
? 飲酒運転の根絶

交通事故は大きな視点に立てば減少傾向にあります。
しかし、今年に入って通学中の児童が被害に遭う交通事故が続けて発生しています。
ケースとして多いのは子供が道路を横断中の事故。
子供による飛び出しが原因の事故もありますが、
交差点で子供が青信号の横断歩道を渡っている時、
右左折してくる車にはねられるケースが多いそうです。

ドライバーの皆さんは、ハンドルを握ったら脇見をせず、
しっかり前後左右の安全確認をするのはもちろん、
車からは見えない場所「死角」を認識して注意することが大切です。
交差点や横断歩道の手前では速度を落とすことや、
信号機のない交差点や横断歩道では横断歩行者優先のことを忘れないでください。

子供を交通事故から守るには家庭での教育が必要です。
子供は親からの影響を受けやすいもの。
青信号が点滅している時に「急いで渡る」と言われて育った子供は、
そういう認識するため、安全確認をせずに渡り、事故に遭う危険性が高くなります。  

親はもちろん、親でなくても、子供は大人の行動をよく見ているもの。
大人が堂々と信号無視をするなどという状況は無くさなければいけません。
子供に危険な行動をとらせないためにも、
「大人は子供の手本」という意識を社会全体が共有することが大切です。

一方、高齢者が被害に遭う交通事故では、
夕暮れ時や夜間の道路を横断中のケースが多いといいます。
ドライバーからすれば、夜間は視界が悪くなるもの。
反対に高齢者からすると、自分の認識以上に道路を横断する時間がかかるのに、
車が来る直前に道路を横断しようとしてしまったり、
車が近づいていることに気づかないという原因が考えられます。

明るい色と暗い色の服装ではドライバーからの見つけやすさが全然違うもの。
特に高齢者の方については、明るめの服装や、反射材の着用を心がけ、
近くに横断歩道があるときは横断歩道を渡ってください。
また、ドライバーの方は、夕暮れ時の早めのライトを点灯を心がけるようにしましょう。
対向車が少ない生活道路等では、歩行者を早く発見できるよう、
夜間はライトを上向きにして走行することが基本です。

ドライバーは運転に際して高齢者に対する思いやりを持ち、
歩行中や自転車に乗っている高齢者を見かけた場合は、
すぐ止まれるよう速度を落とし、高齢者の側を通る時には間隔を空けることを心がけて下さい。