第37回 冬の車の装備(後編)

2015/12/10

今週は先週に続く「車の冬の装備 後編」。
先週「冬の安全運転にクルマの性能や運転技術は関係ない」ということをお伝えしました。
それは冬は雪や氷によって他の季節と大きく運転環境が変わるから。
冬の運転には多くのお思いがけないことが待ち受けています。
中西さんも、スリップで怖い経験をしたことがあるとか。
そして、安全運転に欠かせない視界が天気や環境に左右されることもあります。

まずは「ブラックホール」「ホワイトアウト現象」があります。
雪に照らされて明るく眩しいところから暗いトンネルに入ると、
目が慣れず真っ暗に感じるのがブラックホール現象。
反対に暗い所から明るい所に出て眩しさで目がくらむというのがホワイトアウト現象。
こちらはサングラスなどで状況変化に備えるようにして下さい。

それから大型車などと並行に走っている時、
車輪で雪を跳ねられて、一瞬、目の前が見えなくなる事があります。
慌てて急ブレーキや急ハンドルなどの操作を行わないようにしましょう。
また、山で多いのですが、地吹雪で前は見えなくなることがあります。
地吹雪は地上2m位まで吹き上がるもの。
トラックなど大型車は平気ですが乗用車は前後左右の視界が失われる事があるので、
地吹雪時は前方の車、左右の道幅などに充分に注意して走行するようにしましょう。

そして、冬は雪や氷で道路が滑りやすくなります。
踏み固められた圧雪状態の路面は傾いていたり凹凸があったり、轍が出来ていたりします。
こうしたところではハンドルを取られ、思いがけない方を車が向いてしまう事があります。
それから雪の降り始めや雪の雪解け時に出来るシャーベット状態の時には
タイヤの溝が雪に詰まり、突然スリップして、滑り出したりすることもあります。
十分に注意しましょう。

冬の環境が自動車の性能を制限することもあり得ます。
フロントガラスに湿った雪が溜まって、
ワイパーを浮き上がらせ、動いていても全く効かない事があります。
出発前にアイススクレーパーなどでフロントガラスの雪や氷を取り除いてください。
ヘッドライトやテールランプに雪が付着することもあります。
そういった時には前が見えにくく後ろの車からも確認しづらいので危険。
サービスエリアやパーキングエリアでこまめに取り除いてください。
走行中に跳ね上げた雪がタイヤハウスに付着して氷の塊になりやすいもの。
ハンドル操作の妨げにもなりますので大きくなる前に取り除きましょう。

年末年始。
帰省に旅行に寒いところを走行する方も多いでしょう。
きちんと天候と道路状況を入手することが大切です。

その方法としては一般道から高速に入る前に
インターチェンジ入口付近に設置してある情報板で現時点の高速道路の状況を確認し、
料金所入口でも再度、道路交通情報を確認。
そして、走行中、本線のインターチェンジ手前に設置してある本線情報板をチェックしましょう。
その他、本線上にある広域情報板で変化する気象と道路の正確な情報を掴んでください。
高速道路の事故、渋滞、工事、気象など伝える
ハイウェイラジオ(AM1620kHz)を活用するといいでしょう。