第36回 冬の車の装備(前編)
2015/12/03
12月に入り、各地で雪が降っています。
あなたのクルマは冬支度をしましたか。
今週と来週は2回にわたって「冬の車の装備」をお届けします。
コメントは冬装備と安全運転を喚起している
東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)関東支社 平栗一哉さん。
まず、冬の交通安全の心得!
「雪道の運転には初心者もエキスパートもありません」とのこと。
滑りやすく、視界も悪かったりするので、運転技術や車の性能を過信せず、
先を読み、無理をせず、特に坂道で焦ってスピードを出しすぎないことを心がけて下さい。
まず、冬の交通安全に欠かせないのが出発前の点検。
冬季の運転環境は他の季節とは違います。
雪道は普段よりも燃料の消費が早いもの。
燃料を満タンにするようにしましょう。
また、バッテリーは気温が低くなるほど性能が下がりやすくなります。
お出かけ前にガソリンスタンドでチェックをするようにして下さい。
そして、ワイパーブレードは傷や割れ目が無いか確かめましょう。
できるなら凍結に強いウェインターブレードに交換してたいところ。
そして、ラジエーターとウォッシャー液は不凍性のモノを使うようにします。
特にウォッシャー液は大量に消費するので充分な量を補給して下さい。
ディーゼル車の場合、軽油は零下10度以下で凍結する恐れがあるので、
寒冷地に入ったら凍らない「不凍性」のモノを補給して下さい。
他の季節と冬で大きく変わるのが道路の状態。
『乾燥した道路』を「1」とすると滑りやすさは・・・
『雪が圧雪した状態の道路』 3.2 倍
『凍った道路』 5.4 倍
『つるつるに凍った道路』 8.0 倍
寒いところを走る時には、必ず「冬用タイヤ」を装着しましょう。
「冬用タイヤ」は大きく3つ。
『スタッドレスタイヤ』
スタッド(金属鋲)が無いタイヤ。
低温でもしなやかさを失わない特殊性配合ゴムを採用。
溝の形、切り込みを改良して制動性能が大幅に向上しています。
『スノータイヤ』
素材は夏タイヤと同じですが雪や凍結路面での制動を良くするため、
普通のタイヤより表面に深くて広い溝を付けることで、
雪をつかみやすく、制動距離を短くしています。
『タイヤチェーン』
ご存知、タイヤに巻きつけるもの。
素材は一般的にはゴム製ですがスタッドレスやスノータイヤなどの冬用タイヤに比べ、
最大の制動効果を上げる事が出来ます。冬用タイヤをいえども万能ではありません。
雪の状況によって、全車両チェーンの装着規制が実施される場合もあります。
必ず、タイヤチェーンを用意してください。
平栗さんによると・・・
前輪駆動車も後輪駆動車も雪道では同じ。
前輪駆動車の方がカーブ時の安定性が良いとされていますが、それは乾燥した道路の時。
雪道の場合は前輪駆動車も後輪駆動車も違わないという事を頭に入れておいてください。
四輪駆動者も車の高機能化が進んでいます。
しかし、あくまでも「走る」「曲がる」「止まる」
車の基本的な働きを助ける付加機能に過ぎないとのこと。
雪の道、凍った道ではクルマの性能や運転テクニックは関係ないのです。
もうすぐ年末・年始のホリデーシーズン。
目的地のスキー場や温泉地に雪が降っている事も考えられます。
事前に気象情報、交通情報を確認して、寒い地域に出かけるなら充分ご注意を!